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(藍沢)
翔北へ救急車で戻ってきた3人と、初療室ですべての処置を終わらせたとき、それは起こった。
「ちょ、Aどした？
藍沢！」
緋山の鋭い声に振り向けば、Aが顔を両手で覆ってその場にうずくまるところだった。
「A…!?」
「香坂先生！」
慌てて駆け寄る白石と、混乱しかけているフェロー達を藤川に任せて、俺はAの容態を見る。
楽な姿勢にしてやろうと膝に頭を乗せて、頸動脈に触れた。
「A」
「痛いし気持ち、悪い……まっ、で、る…」
俺から真っ青な顔を背けて口元に手をやったと思えば、喘鳴とともに嘔吐してしまう。
「う…」
吐瀉物の感覚が気持ち悪いのだろう、顔をしかめているAの元に、橘先生が戻ってくる。
「藍沢、一度移せ。
白石、緋山、モニター準備してくれ」
「はい」
なるべく頭部を動かさないよう横抱きにして、そのまま診療台の上へと横たえる。
「藍沢先生これって…」
Aに酸素マスクをつけていた白石が、眉を寄せて俺を見つめてくる。
「あぁ…中等度の脳震盪だ。
場所にもよるが内部の様子が知りたい」
「わかった、脳外にCT連絡する」
PHS端末を取り出して一度Aから離れた白石と代わるように、橘先生が荒い呼吸を繰り返す彼女の瞳孔を確認する。
「不動はまだない…か。
ん…冴島、体温測ってくれ、少し熱い」
「わかりました」
────免疫が落ちてぶり返したか…。
「う、ぅ…」
制吐剤を準備しようとその場を離れようとしたとき、もう一度Aの表情がゆがんで顔を横に向けた。
「吐くぞ」
「橘先生ちょっとすいません」
藤川が臨機応変に対応して、袋の中に吐瀉物を収めることができた。
咳とともに吐き出されていくそれは、彼女の小さな身体に負担をかける。
「制吐剤も使おう。
香坂、わかるか」
「ん…」
まだ意識の混濁はないようでほっとしていると、体温を測り終わった冴島が声を上げた。
「38.3℃です」
「朝より上がってるな…抗生物質も入れるか」
「はい。
痛みはアセトアミノフェン、発熱はアセリオで緩和させます」
スムーズに橘先生とやり取りを行いながら、緋山がフェローに指示を飛ばす。
「アセトアミノフェンはこっちあるから、アセリオ500mmオーダーして、点滴ね」
「あっ、はい」
呆然としていた3人の中、一番に立ち直ったのは名取だった。
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
