memories． -こころ、ほどけて。- ページ2
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(third party -第3者-)
その日、香坂Aは目が覚めたとき、妙に身体がだるかったのをいまでもはっきりと記憶している。
全身にいやな汗をぐっしょりとかいて、今しがた見た夢を必死に忘れようと朧気な頭を回転させていた。
身体ががたがたと震える、呼吸があがる。
喉がひりつくような痛さを訴えて、ベッドサイドのテーブルに置いていたミネラルウォーターのペットボトルに、必死で腕をのばした。
────何でいまさら、こんな夢を見るの…！
11年前の事故、あのとき自分がその場にいながら両親を救えなかったこと、医療界で彼らを絶賛していた大人達の、ごく一部の怒りの矛先は、娘であったAに向けられた。
────医者の娘なら、何故優先度が分からなかった!?
────よく平気な顔をしていられるのね…。
違う、見捨てたくて見捨てたのではない。
パニックに陥った彼女を、呼ぶ声が確かにあった。
────おねがい、助けてと。
父と母の言葉が、走馬灯のように駆け抜けていく感覚があって、過呼吸になりかけた心臓がふっと落ち着きを取り戻す。
────目の前の患者から、目を逸らさないで。
────人を想える医者になれ。
「………っ」
シーツを肩からかけて、ベッドの上に膝を抱えてうずくまる。
身体の中が、夏もそろそろ終わりだというのに妙に熱くて、額に手を当てる。
「…、けほっ」
────風邪、ひいたか…。
滅多と風邪はひかないけれど、このところ色々と身体には負担をかけてしまっていたから、免疫が落ちていたのだろうと思った。
時計を見ると7時30分。
────まいったな、何か食べてから薬飲まないと…。
どうにも身体も頭も重い。
────あつ…。
体温計で熱を測っている間に、買い置きしてあるバターロールを用意して、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出した。
ピピッと音がして表示を見れば、38.1℃────思ったより高かったことに天を仰いだ。
「……橘先生おはようございます、香坂です。
あの、少し微熱があって…え、あぁ38.1℃ですけど…え、微熱ですよこれくらい。
少し遅れると思いますので、連絡を…はい、すみません、ありがとうございます」
上司への連絡を終えて、ゆっくりと朝食をとっていく。
夢の内容も忘れてしまおうと、Aはバターロールを無理矢理飲み込んだ。
Compensating for failure． -失敗の代償 1-→←Your＆review． -復習-
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
