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(白石)
夕方になって仕事を片付けた私は、Aの運ばれた病室に来ていた。
大丈夫だと言う彼女を、藍沢先生が無理やりベッドに押し込んでいたのは記憶に新しい。
AもAで渋々ベッドに入ってから、ものの数分で寝息を立てていたのだから、身体は正直だなと思う。
目が覚めたのだろう、鼻をすする音がする。
Aのその顔には血色が戻り、薄茶の瞳はただじっと天井を見つめていた。
「…大丈夫？」
そっと声をかけると、身体ごとこちらに体制を変えて、うんと笑う。
「患者さんは？」
こんなときまで自分のことは後回しなのだから、もうこれはAの無意識のうちなのだろうと、心の中でひとり納得する。
「全員無事よ。
森口さんの足も切らずに済んだから」
「ほんと？良かったぁ…」
そう言ってふにゃりと笑うAに、少しきつめの口調で注意する。
「もう、少しは自分のことも心配してよ。
モニター見てて心臓止まるかと思った」
「ごめんごめん、私思ったより寒さに弱かったみたいで」
苦笑するAの点滴を確認していたら、起きてもいい？と聞かれたので、藍沢先生に怒られても知らないわよ？と返す。
そうしたら諦めるどころか、むしろ平気平気とゆっくり起き出すものだから、もはや藍沢先生効果なんて効くはずもない。
ゆっくりと起き上がった彼女は、点滴棒を支えに歩き出す。
その後ろを着いていくと、ちょうど橘先生が向こうから歩いてくる。
ぺこりとお辞儀をしたAに私も倣うと、彼はAに近づいて軽くその肩を叩いた。
「おぉ香坂、もういいのか？」
「はい。
すみません、ただでさえ手が足りないのに」
眉を寄せる彼女に首を振ってから、橘先生は私に軽く目配せをする。
何か、大切な用事があるようだ。
ひとつお辞儀をしてその場を離れる私が見たのは、ともすれば親子のようにも見えるふたり。
────そういえば、Aって両親の話とかはあまりしないよね…。
むしろ、聞いたことがないと言った方が正しいかもしれない。
いつか、聞くことが出来るだろうか。
さぁ残りの仕事を片付けようと、私はスタッフステーションに足を進めた。
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yui - いつも楽しく読ませていただいております！単語についてなのですが、6話の5ページ、「コークリフト」とあ（ますが「フォークリフト」かと思われます。倉庫内で重いものや大きいものを移動させる乗り物です。 (2017年10月13日 16時) (
レス) id: 30abdae40f (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 18の守口さんの名前が森口さんになってましたので報告させていただきました (2017年10月7日 13時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
kii - 仕事の話し(患者さんとか)でもいいし、プライベートでもいいし、シリアスな感じでもいいし…とにかく香坂先生と白石先生が会話をしているところをもっと見たいです（笑）突然のお願いですみません！これからも頑張ってください！応援しています！ (2017年8月28日 23時) (レス) id: 827d9f9495 (このIDを非表示/違反報告)
kii - 6話完結おめでとうございます！いつも楽しい作品を作ってくださりありがとうございます！またまたリクエストなのですが、最近藍沢先生との絡みが多いので(不満とかそういう意味じゃないです！)白石先生との2人のシーンが欲しいです！できれば藍沢先生の恋愛話は無しで… (2017年8月28日 23時) (レス) id: 827d9f9495 (このIDを非表示/違反報告)
nee - こんばんは！いつも作品見させてもらってます！リクエスト？意見？なのかわかりませんが名取先生には香坂先生から緋山先生に恋心移ってほしくないっていうか……無理なこと言ってすみません！これからも頑張ってください！ (2017年8月28日 22時) (レス) id: 363a4b4fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月22日 0時
