桜【special story】 ページ27
お待たせいたしました。
こちらはTwitterでお知らせしていました、フォロワー500人突破の記念小説になります。
※最近女優さんのお話を作っていないので、皆さまに下までスクロールをして名前を変更していただくのも面倒だろうなぁと思い、普通の名前変換で編集しています。
どうぞ本編で使用されているお名前などを入力してお楽しみください。
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(藍沢)
朝早くから、多くの医者や看護師が病院内を行き来する。
朝一番の出動を終えて、もうすぐ昼時。
休憩がてらに中庭に足を向けたのは、なんとなく、今日も来ているかと頭の隅で思ったから。
彼女は、こんな春の陽射しを浴びるのが好きなのだ。
ふわり、さらり。
穏やかな風が、長くのびた薄茶の髪をもてあそび。
風に乗った花びらが、青空に華やかに散らされていく。
入院着の上からアイボリーのカーディガンを羽織った彼女が、車椅子に乗ったまま目を閉じていた。
「……看護師が心配するだろう」
「大丈夫。
藍沢先生が一緒なら」
信頼されてるでしょう、と笑いながら顔をあげる。
彼女の名前は香坂A────付き合いが長く、また歳も近いため、という理由でお互い敬語を使わなくなったのはいつだったか。
生まれつき身体の弱いAは、これまで何度も入退院を繰り返してきた。
あるときは喘息で、またあるときは感染症の類で。
つい先日も救急搬送されてきて今日でちょうど1週間が経つ。
「まだ病み上がりだろう。
無茶をしてぶり返されたら、怒られるのは俺だ」
「わかったよ、だからそんな怖い顔しないで」
もうこのやり取りも何度目だろうか。
────あと、何度できるだろうか。
今日はこうして外に出られた、けれど明日は?
もし朝、無事に目が覚めなかったら?
彼女は、そんな恐怖とずっと戦いながら生きている。
いや、彼女だけではない。
そっと後ろを振り返って、そびえ立つ建物を見上げる。
この病院にいる全員が、全力で明日も生きようと必死に足掻いているのだから。
「……また、医者の顔してる」
いつのまにかこちらを見ていたAが苦笑する。
「…私は、私と話してるときの藍沢先生のほうが、いいな」
「…おまえは、いつもそうやって誰かを気づかう。
死ぬのは、怖くないのか?」
前から不思議だったことを、聞いてみた。
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Mitsuki - いです!お忙しいことと思いますが、更新頑張ってください(^ ^) (2018年1月4日 18時) (レス) id: aed2f04add (このIDを非表示/違反報告)
Mitsuki - 明けましておめでとうございます!もうすっかり香坂先生ファンです笑リクエストで、 香坂先生の新年の目標が聞きた (2018年1月4日 18時) (レス) id: aed2f04add (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 名前変えさせていただきました。以前 仰られていたホンマでっかのやつ見てみたいです~(●^o^●)時系列とか、まぁ 気にしません! (2017年12月29日 22時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 更新ありがとうございますっ!!神ですね…((T_T)) (2017年12月26日 9時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 私のところにも香坂先生サンタが来て欲しいです・・・! 素敵なクリスマスプレゼントをありがとうございました! ayanelさんのペースで、これからも更新頑張って下さい! (2017年12月26日 8時) (レス) id: d6d184a47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayanel | 作成日時:2017年8月18日 3時