コード・ブルー -Blue Serenade-

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車の助手席から降りるように横に立ち上がろうとして、大きな手に右手首を掴まれて引っ張られる。



山下「────A待って。

…みたいな」

貴「ちかっ」



思わず素直に感想が漏れました、智くん近いって。



引っ張られて振り向いた勢いで、片側に寄せていた髪がふわりと舞った。



引っ張られてあてを失くした右手は、私よりずっと肩幅のある彼の右肩に乗っている。



北山「…絵になるわぁ。

宮瀬さん耳まっか！」

貴「いやぁ、してやられた」



元の位置に座り直すと、今度は私の番。



え、この後に言うのめっちゃ恥ずかしくない？



貴「私はですね…んー結構インドア派なんで、家でごろごろして、帰っちゃう前に…とかいいかなぁって」

「おおお〜」



皆さんこれまた一様に納得してる。



北山「で、いつでしたっけ」

貴「…ナイショ」



北山くんの質問に、にこっと微笑んで返せば、ブレないなぁと智くんに笑われた。



さてとー、たくさん乙女パワー貰って帰るぞ。



《ランキング見終わって》

貴「………若いって、ええなぁ」



1位、玉森くんのVTRが終わってぽつりと呟いた私の言葉に、スタジオ中が大爆笑した。



藤ヶ谷「宮瀬さん哀愁漂ってる」

山下「乙女パワー入りすぎた？」

貴「入りすぎて心が痛い」



アラサーですけど、まだ心は乙女でいたいのです。



北山「さて、最後におふたりから特別VTRがあるそうなんですが…」

山下「そう、どさくさに紛れて俺らも撮ったの」



「ええぇ〜!?」



ふふ、実はこれ誰にもお知らせされてへんのよね。



コードブルーも最終回目前やけど、今回はひと組のカップルとして演じさせていただきました。



山下「ではでは特別VTR…」

山下・貴「どうぞ」



カメラさんに抜いてもらって、ふたりで笑顔。



初々しい身長カップルの初キスショートドラマ、どうぞご覧ください。

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