Efficacy of a smile.1 -笑顔の効能- ページ3
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(白石)
酒は良薬になるという。
まさにその通りだと、最近思うようになった。
バー・めぐり愛にて。
「結婚、おめでと〜!」
「ママ〜良かったねぇ〜!」
「ありがとう」
かちゃん、とグラスどうしのぶつかる涼しい音がした。
私と緋山先生のあとに続いて、嬉しそうに声を上げて無邪気に笑うAを見てると、ほんっとうに私たちと同い年になんて見えなくなる。
恒夫の軽いウクレレをBGMに、会話が弾む。
「もう、Aは私の娘じゃないでしょ?」
「んっ、養子なら全然歓迎だよ」
え、うそこの子もう酔ってる?
「なんてね?」
「あんたなら通りそうだから怖いわ」
あーびっくりした…。
うん、緋山先生に同情。
Aは元々お酒は強いほうだ。
度数の高いカクテルや、たまにウイスキーなんて煽ってるけど、けろっとしてバイクを押して帰ってる。
「まさかねぇ…あの藤川とほんとに結婚するとは。
…謎だわ」
緋山先生が頬杖をつきながら、神妙な面持ちで言った。
「あの、ちっちゃい先生でしょ?」
「ぶっ」
こらAさん、そこ吹くところじゃないから。
「どこが良かったのよ!」
「それ私も知りたーいです、はるかママ!」
「どこが?
…うーん……」
この2人って、何だかんだ話のテンポが合ってるよね…相性いいんだか悪いんだかわかんないや。
「…そう聞かれるとないかも」
えっ、藤川先生可哀想…。
「ひとつくらい言ってやれ」
そう言いながら奥のソファに座っていた藍沢先生が振り向いて、氷が入った空のグラスをからんと振った。
おかわり、だそうだ。
「はいはーい」
「あ、恒夫、私にもアイリッシュ・コーヒーください」
「コーヒーにお酒入れるの?」
そう聞き返したのは私。
「うん、結構美味しいよ。
コーヒー飲んでるみたいな感じかな?」
「へぇ…」
私お酒はそんなに詳しくないけど、さすが、お酒の嗜み方も帰国子女…。
「そんでそんで、どこが好きだって?」
私の左隣はAで、彼女の横は冴島さんだ。
「まぁやっぱり…優しいところ?」
「ひゅぅ〜!
やるねぇパパも」
A、今日はほんとにテンション高いなぁ。
それだけ嬉しいんだろうな。
彼女と冴島さん、確か私たちがフェローとして翔北に来る前から一緒に働いてるって言ってたんだよね。
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Koto(プロフ) - リクエストなんですが、shortstoryで三井先生が香坂先生を溺愛するお話が見てみたいです! (2017年9月23日 11時) (レス) id: e1c8bdc482 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 藍沢とくっつけてほしいです! (2017年9月1日 5時) (レス) id: 4dd38bd3ac (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます。リクエスト了解しました、短編で書かせていただきますね(*^_^*) (2017年8月24日 13時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - ずっと楽しく読ませてもらってます!伏線の張り方とか心情描写まで丁寧で引き込まれます。しかもネタもつきないしすごいですね!!リクエストなんですが、京先生が大阪の病院でモテて、白石先生がそれにちょっと嫉妬する?みたいなものが見たいです! (2017年8月23日 23時) (レス) id: c0afa0c28c (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - 前作時にはコメ返ありがとうございました!4話読みました。歩那ちゃんの存在が気になります。香坂先生にとって良い刺激といいますか、そうなってくれるのが楽しみです!又短編立浪草のお話も読みました。一週間でも幸せだったのだろうと思うと凄く切なくて泣けました。 (2017年8月15日 1時) (レス) id: 68a6b7d888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayanel | 作成日時:2017年8月8日 10時