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そのとき、目的の階数に到着した新海先生は、恵ちゃんに会釈をして、お互いにこやかに微笑み合いながら出ていく。
そうして、こちらに首を傾けて声をあげた。
「香坂、今度食事でもどうだ」
「ちょっと恵ちゃんまで何言って…、へ？」
新海先生、いまなんとおっしゃいまして？
「藍沢の愚痴、俺で良かったら聞くから」
そう言って笑った彼を最後に、ドアは閉まる。
私の脳は、しばしショートを起こしていた。
「………」
「ねぇ、藍沢先生？」
「そのままの意味だろ。
誘っているんだ」
ぽかんと呆ける私の後ろで耕作が不機嫌になっているなど露知らず、私は恵ちゃんに引きずられるようにしてエレベーターを降りた。
「……やっぱり和食かなぁ」
前を歩く二人が、大きくため息をついた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(白石)
渓流で足を滑らせて転落した男性、緒方博嗣さんの処置のサポートに入っていくAの後ろ姿を、しばしの間眺めていた。
今日のフライトは彼女だから、いつ出動できるように、あくまでも一歩引いた位置から動くつもりはないようで。
「……さ、さか、な」
「魚？」
ぱちゃりとクーラーボックスの中で活きのいい魚が跳ねた。
「うっわ！」
灰谷くんが驚いて声をあげる。
「み、店の生簀に、はやく！」
「根性ありますねぇ」
「ちょっとタイプ」
ふふ、とAと緋山先生が笑う。
私も処置に加わろうとしたところで、ホットラインが初療室に鳴り響く。
すい、と細腕がのびて受話器をとった。
「はい、翔北救命センターです」
『木更津市消防より、ドクターヘリ要請です』
灰谷くんの顔が引き攣ったのが、目に見えてわかった。
「患者の状態は」
『木更津森林公園内で、男性が倒れていたそうです。
呼吸が弱く、意識もはっきりしません』
Aは町田さんの方を振り返ってOKサインを作ると、灰谷くんと冴島さんに目配せをする。
「出動します」
言うが早いか、私にあとお願いと言い残して駆け出していく。
あっという間に遠のいていった足音を気にかけるように、扉の方に顔を向けるいい大人が二人。
「気になる？
おふたりさん」
緋山先生がにやりと笑うと、藤川先生は全然？大丈夫だろと気丈に振る舞って、入り口で突っ立っていた藍沢先生は、軽く息を吐いてこちらに来た。
────香坂先生、行ってらっしゃい。
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あやみん - 名取先生が、自分に、恋したなんて、最高です!!!!! (2019年8月19日 12時) (
レス) id: ac50c68a33 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 16話、朝日は登りつつではなく朝日は昇りつつ、ではないでしょうか？ (2019年2月10日 15時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 14話、以外にも耕作だった。ではなく、意外にも耕作だった。ではないですか？ (2019年2月2日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 13話冒頭、横峯さんではなく横峯ではないですか？意図されてでしたらすいません (2019年1月18日 22時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
rabbit - 32の下から9行目「手術中にに」となっています。間違っていたらごめんなさい。 (2018年10月6日 23時) (レス) id: fec1ec90ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月1日 0時
