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「っえ、冴島さんが!?」
『目が覚めたって、さっき藤川先生から連絡があったの…！』
遅めの夕食であるおにぎりを医局で胃に詰め込んでいたとき、私のスマホが恵ちゃんからの着信を告げた。
「まって、いますぐ行く！」
『うん、行ってあげて。
…良かったね、A…』
「うん…うん…っ！」
涙をぽろぽろ零しながら、私はICUへ走った。
息を切らせてICUに入ると、藤川先生がこちらを振り返って、ひどく嬉しそうな笑みを浮かべる。
ベッドに駆け寄って、震える手を頬に当てる。
「…はるちゃ…っ」
「……やっと、…そう呼んでくれたね」
え……あ、私いま、はるちゃん、って言ってた？
「ちょっと寂しかったんだよ…？」
「ご、め…なんかピリピリしてたから、無意識で冴島さんって……。
あー…わたし馬鹿だなぁ」
起きたばっかりの身体に長話はよくないと思い、また明日ね、と笑ってICUを後にする。
ドアを出た途端に膝の力が抜けて、その場にずるずると崩れ落ちた。
「よかっ……た…ほんとに、よかった……」
全力疾走したせいで、暴れ回ってわずかな痛みを訴えていた心臓を、抱え込むように膝を抱えて座り込む。
私はしばらく、そこで蹲っていた。
次の日の朝、耕作がはるちゃんの脳に異常がないかを調べている後ろで、私は恵ちゃんと美帆ちゃんに挟まれてそれを見ていた。
「…ここで維持して」
両手を一定の高さまで上げて目を閉じ、その高さを維持する。
麻痺があると片方の手が上がらなかったりするのだが、異常は何も見られない。
「よかった。
……────良かった…」
「ふ…ぅっ、はるちゃあぁ…！」
涙ぐむ藤川先生に耐えられず、泣きながらはるちゃんのお腹のあたりに駆け寄ってすがりつく。
「あー、Aずっと泣くの我慢してたからねぇ」
「自分のせいで冴島さんがこうなったって、すごく落ち込んでたの」
そうなの？と私の頭をゆるく撫でてくれるはるちゃんの手のぬくもりが嬉しくて、びーびー泣く私を慰めるように、彼女は小さく笑う。
「ほらA、もう泣かないの。
目腫れたら私が藍沢先生に怒られちゃう」
「っく……う、…無茶言わないで…！」
ひっく、としゃくり上げながら目をごしごし擦っていると、後ろにいた耕作がぽつりと呟く。
「…お前の自慢の睫毛が下がるな」
「……自慢じゃないけど、それはこまる」
「飼い慣らされてるね」
「ね」
ぐぬぬ、誰が犬だ！
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あやみん - 名取先生が、自分に、恋したなんて、最高です!!!!! (2019年8月19日 12時) (
レス) id: ac50c68a33 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 16話、朝日は登りつつではなく朝日は昇りつつ、ではないでしょうか？ (2019年2月10日 15時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 14話、以外にも耕作だった。ではなく、意外にも耕作だった。ではないですか？ (2019年2月2日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 13話冒頭、横峯さんではなく横峯ではないですか？意図されてでしたらすいません (2019年1月18日 22時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
rabbit - 32の下から9行目「手術中にに」となっています。間違っていたらごめんなさい。 (2018年10月6日 23時) (レス) id: fec1ec90ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月1日 0時
