Shoot the heart． -20cm- ページ25
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(京)
俺のあだ名が定着したのは、初めて翔北に来たその日だった。
「えーと…けい、翔貴？」
「あーと、京って書いて、みやこって読みます」
「すまんな…一瞬中国人のハーフかと思った」
「いえ、慣れてるんで気にしないでください」
黒田先生が間違えて俺の苗字を呼んでしまって、でもその方が呼びやすいなぁって森本先生が乗ってしまったものだから、その日から俺は同期にも、みやこくん、ではなく、ケイ、と呼ばれるようになってしまった。
なんで呼び捨てなんかは、まあ置いておくで。
「いいじゃん、あんた全然京都出身ぽくないし」
「緋山…そうゆう問題とちゃうねんけど。
名前変わってもうとるやん」
あの藍沢でさえケイと呼んでくるもんだから、もう諦めていたとき、彼女だけは最初から俺のことをみやこくん、と呼んでくれた。
白石恵────温和で真面目な性格やけど、どうにも自己主張ができへん受身な子。
「……なぁ白石。
俺のことみやこくん、って呼んでくれるのは有難いねんけどさ。
────お前その性格やと、現場無理やで」
関西人は思ったことをズバズバ言うからデリカシーがないと緋山に言われたことがあるけど、実際このときは本当にそれを恨んだものだ。
みやこくん、と彼女の唇が動いたのを呆然と見ているうちに、あ、やらかした、と自分中に自責の念がどんどん溜まっていく。
「…あ……すまん、そういうこと言いたいんやなくて、えーと…」
「……ううん、いいの。
でも逆に、ずばっと言ってもらえてスッキリした…直していかないとなぁって」
ああ、無理しとんなぁっていうのが伝わってくる。
ほんま、優しいねんな。
俺も藍沢も患者や同期には容赦ないから、こんな風に患者を思えるのは強さになると思う。
……その優しさ、無駄にすんなや。
俺と白石の関係は、どこかしら近くて遠い、そんな関係で繋がっている。
それは、6年経ったいまでも、変わることはない。
この牙が、想いが────矢となって優しく彼女の心を射るまで。
残り、20cm。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁
作者です、一言いいですか。
いざ、書き出してみましたがやはり。
男主だめだあああ！(心の雄叫び)
ちなみに時系列としては、香坂先生が帰ってくる一年前あたりです。
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彩架(プロフ) - 3話の｢始め｣ではなく｢初め｣ではないですか？ (2018年10月13日 23時) (
レス) id: d02e226a01 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 話に話を咲かせる、ではなく、話に花を咲かせる、ではありませんか？ -14cm-です (2018年9月28日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - すいません、先程の書き込み、訂正させてください。「ステンド」ではなく、「ステント」ではありませんか？ (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生の考えてること、何個目かはわかりませんが…、「それは」の後の「、」が「，」になってます (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - -18cm-の京先生が一番最初に考えてること、ステントグラフトになっています。ステンド、ではないです？ (2018年9月21日 17時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年7月27日 12時
