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核心をつく物言いなのに、心打たれるのはなぜだろう。
『藤川、いつかおまえは、どうして俺みたいになれないのかと俺に聞いた…覚えてるか？』
────覚えてねーよ。
声にならなかったのは、なぜだろう。
ずっとずっと、おまえは俺の憧れだった。
『いまは俺のほうがおまえみたいになりたいと思う、…少しだけ。
大切な人間に胸を張って大切だと言えることが、いかに尊いのか、おまえを見てるとわかる。
俺もいつか伝えられるようになりたいと思う。
────ありがとう』
かろうじて吐き出した吐息は、胸の内からこみ上げる熱い思いで震えていた。
ともすればこぼれそうになる涙を必死で堪えながら立ち上がり、スマホを取り出して画面をタップする。
「……あ、はるか？やっぱりやらないか、結婚式。
どれだけ先になってもいいからさ」
藍沢、おまえはいつだって、俺の背中を押してくれる。
早く起きてやれ、あいつが待ってるんだからさ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(香坂)
ICUの窓から、たっぷりの朝日が射し込んでいる。
『…随分弱々しい声だな』
開口一番に聞けた声に、何もかもお見通しかと胸元のリングと重ねたニトロペンダントに指先で触れる。
「……いま、藍沢先生が意識不明の重体です」
『あぁ、京から聞いてる。
────香坂Aの意地はどこ行きやがった。
おまえは10年以上前の古傷にいつまでも引きずられるようなやつじゃないだろう…少なくとも俺が見てきた“香坂先生”は、もっとがむしゃらに過去を振り切ろうとしていたぞ』
────あぁ、この言葉を待っていた。
すぅ、と大きく息を吸うと、私は静かに切り出した。
「この10年、振り切るだけじゃ何も変わりませんでした。
ちゃんと向き合って、彼の処置をしようと思いました。
どうしようもなく怖くて逃げ出したかった…でも、逃げなかった────手を離さなかった」
『それで、おまえがいまやるべきことは』
朝日にきらめく薄茶の瞳に、もう迷いの色はない。
「藍沢先生を必ず助けて────トロントに、行きます」
『……それでこそ、あいつらの娘だ』
私にはまだ、やるべきことがある。
こんなところで負けている訳には、いかないのだ。
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ひな - めっちゃ面白くて最高です！お忙しいと思いますが更新楽しみにしてます！ (2月8日 19時) (
レス) @page42 id: 7bff09c70b (このIDを非表示/違反報告)
murasaki(プロフ) - 初めまして！1番最初から一気に読みました！更新楽しみにしてます (11月30日 21時) (レス) @page42 id: e474591311 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - season1、3を一気に読み、劇場版もあっという間に読んでしまいました。とても感動しました！更新楽しみに待ってます！ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 247691cc0f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています。更新停止のままですが更新されるのでしょうか？ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - とても大好きな作品で、思わず一気読みしてしまいました！更新頑張ってください！応援しています！ (2021年8月2日 8時) (レス) id: 44a0b6bd0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel | 作成日時：2018年11月29日 23時
