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(京)
何かが破裂した。
爆発音に慌てて振り返った俺の視界に映ったのは、小柄な香坂が雪村を受け止めきれずにこちらに倒れてくる姿と。
火花の光に目がくらむ空間の向こう、藍沢が踊り場の手すりを乗り越えて、下に落ちていく瞬間。
脳が思考を停止した。
一拍おいて、雪村をかばう体勢で階段の踊り場の柵に香坂が背中から激しくぶつかる。
彼女を心配する雪村の声に重なって、香坂のトランシーバーから医師の声が聞こえてきた。
『エンジンルームの負傷者は感電による電撃症の疑い。
エンジンルーム周辺で漏電の可能性があります。
各スタッフは注意してください』
感電────そのワードに脳はめまぐるしく状況を理解し、電気が走ったかのように身体が動き始める。
「いっ…！」
「京先生！？」
が、走り出そうとした途端に現実を突きつけるかのように左足が痛みを訴え、俺はその場に蹲った。
「……ここに、いて」
異変に気がついた雪村がこちらに駆け寄ったとき、視界の隅を薄茶がなびいていく。
そのあまりにかすれた小さな声に、思わず駆け出した背中に手がのびる。
────あほか、おまえは…！
いまの香坂の心境がわからないほど長い付き合いではない。
あいつが重ねているのは、きっと────。
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(香坂)
胸が締めつけられるように痛い、呼吸もはやい。
うまく息ができなくて、目の前が涙でかすむ。
その涙を乱暴に手の甲でぬぐい、私は手すりから身を乗り出して階下を覗き込み────息をとめた。
流れ込んだ海水の中にたゆたう、群青のスクラブが見えたから。
「耕作！」
思わず叫んだ彼の名は、いつも現場で呼ぶ藍沢先生ではなかったけれど、そんなことが頭から抜け落ちてしまうほど気が動転していたのかもしれない。
震える四肢を叱咤し、階段を飛び降りて藍沢先生のもとへ駆け寄る。
「藍沢、先生…！」
必死に呼びかける中、ぱたりと海水で濡れたスクラブに、私の涙が滴り落ちる。
「っ、雪村さんAEDもってきて！」
「はい！」
後ろを振り返らず雪村さんに指示を飛ばし、私は藍沢先生をなんとか水面から上げようと試みるが、なんせ身体中の力が入らない。
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ひな - めっちゃ面白くて最高です！お忙しいと思いますが更新楽しみにしてます！ (2月8日 19時) (
レス) @page42 id: 7bff09c70b (このIDを非表示/違反報告)
murasaki(プロフ) - 初めまして！1番最初から一気に読みました！更新楽しみにしてます (11月30日 21時) (レス) @page42 id: e474591311 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - season1、3を一気に読み、劇場版もあっという間に読んでしまいました。とても感動しました！更新楽しみに待ってます！ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 247691cc0f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています。更新停止のままですが更新されるのでしょうか？ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - とても大好きな作品で、思わず一気読みしてしまいました！更新頑張ってください！応援しています！ (2021年8月2日 8時) (レス) id: 44a0b6bd0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel | 作成日時：2018年11月29日 23時
