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いつの間にか、ほかのレスキューも伺うように俺たちの周りへと集まってきていることに気がつく。
並大抵のものが見ればひっくり返るほどのペアンやそのほかの器具が、びっしりと側腹部から出ているのだ────これが驚かずにいられるだろうか。
「正面からお願い。
レスキュー、出せます」
その器具を後部座席に移動した香坂と、患者の正面に回った俺がしっかりと保持する。
彼女のいた助手席に乗り込んだレスキュー隊員が声を上げた。
「動かします！」
「1、2、3！」
車外へ出た杉原さんを、父を見て、剛志さんの震えた声が聞こえた。
「父さん…！」
大急ぎでタオルを抱えて患者のそばに膝をついた香坂の後ろ姿に、今回も救われたと感じる自分がいた。
────おまえがいて、よかった。
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(白石)
『49歳赤タグの男性、無事処置終えて救護エリアに戻ってます。
息子さんもご一緒です。
白石先生いる？』
トランシーバーからいささか疲れた様子の香坂先生の声が聞こえ、私はすぐにシーバーを口元に当てた。
「お疲れさま。
瀬崎先生から大体現場の情報は聞いてるわ。
香坂先生ありがとう」
『よかった。
じゃあ後はプロにおまかせするね』
そう言って通信を切った香坂先生に小さく笑いつつ、私はふと思い出す。
先ほど、ひょこひょこと左足を引きずりながら巡視艇の方へと向かっていった京先生を。
一度は止めたのだけれど、所詮彼も楽観的な雰囲気をまといつつも、藍沢先生や香坂先生と同じように、自分が決めたことは曲げないひとだ。
“ちゃーんと戻ってくるさかい、おまえはいつもみたいに指揮とっててくれや、な？”
そう言われてはなすすべもなく、あの背中を見送るしかなかったのだ。
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(灰谷)
「どうだ？」
「自発呼吸が消失してるし、脳幹反射もありません」
「脳死か…」
新海先生の言葉を受けて厳しい顔になった橘先生が、こちらを振り返って尋ねた。
「ご家族に連絡はついたか？」
「こっちに向かってるそうです…」
真冬の凍てつく海に沈んでいた14歳の少年────岡部達也くんの鞄の中に入っていたカードを一瞥して、僕は自分の手をぐっと握り締めた。
────何もできない自分が、こんなにも歯がゆい。
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ひな - めっちゃ面白くて最高です！お忙しいと思いますが更新楽しみにしてます！ (2月8日 19時) (
レス) @page42 id: 7bff09c70b (このIDを非表示/違反報告)
murasaki(プロフ) - 初めまして！1番最初から一気に読みました！更新楽しみにしてます (11月30日 21時) (レス) @page42 id: e474591311 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - season1、3を一気に読み、劇場版もあっという間に読んでしまいました。とても感動しました！更新楽しみに待ってます！ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 247691cc0f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています。更新停止のままですが更新されるのでしょうか？ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - とても大好きな作品で、思わず一気読みしてしまいました！更新頑張ってください！応援しています！ (2021年8月2日 8時) (レス) id: 44a0b6bd0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel | 作成日時：2018年11月29日 23時
