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そこで一度言葉を区切った先生の様子が、若干険しいものへと変わった。
「救命の患者は、いつ誰が容態急変するかわからない。
そのとき、誰がいても対処できるように、50人全員の病状を把握しておく必要がある」
50人────その数字にうろたえたのは、決して私だけではなかった。
「あ、あの…、50人ですか…？」
「60人がいい？」
「あ、いや」
「で、さっきの戸倉さんの病状は？」
「は？」
思わず呆けた藤川先生と、指名されて考え込む緋山先生。
さらに藍沢先生を挟んだその横で、私はメモ帳のページを静かにめくった。
「────熱射病の、蘇生後脳症です」
「合格、まぁこんな感じ。
ICU、HCU、一般病棟、そしてヘリ担当」
一言褒めてもらえただけだけれど、そのたった一言でえ、嬉しく思える自分がいた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(藍沢)
「ヘリ担当は専用無線機を持つ。
すべてを日上がりで担当してもらう…カルテはそこ。
患者の病状、把握しておいて」
「あの」
スタッフステーションへと先導しながらそう説明した森本先生の前に、緋山が進み出た。
「初日からヘリに乗れたりするんですか？」
「あはは、いい笑顔だねぇ…でも無駄だよここじゃ。
乗れるか乗れないかは君たち次第。
まぁいま、実際に乗ってる子がいるけど────」
と、そこで森本先生の胸元のPHS端末が着信を告げた。
“実際に乗ってる子がいる”
途中で聞けなくなってしまったその言葉に引っかかるものがあって、俺は眉間に皺を寄せた。
────フェローがもう1人、いる…？
「はい。
……了解」
手短に通話を切った森本先生は、俺たちの気を引くためか、はたまた合戦の合図だと言わんばかりに、パンパンッと手を叩いた。
「さぁさぁ、君たちの大好きなヘリが戻ってきたよ。
GOGO！」
走り出した彼に続いて病院内を通り過ぎ、外へと出ていく────ヘリポートへ続くEMERGENCYとペイントされた道のりの最中、まるで空を切り裂くような低いローター音が、俺たちの耳に突き刺さる。
4人が空を見上げたのは、ほぼ同時だっただろうか。
着陸のため、割と低い位置でこちらに戻ってきていた白いヘリが、頭上を通り過ぎた。
機体には、いま俺たちが着ているスクラブの色と同じ群青で、Doctor-Heliの文字。
────来た。
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ほち(プロフ) - 続きとても気になります……！更新待ってます…！ (2月14日 9時) (
レス) id: 9d8af713d5 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月18日 10時) (レス) id: 572aeb701d (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年8月24日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
音夢(プロフ) - 続きが…気になります！！ (2019年6月21日 2時) (レス) id: 11609052e1 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - シリーズとても面白くて、1日で読み終えてしまいました！この小説でのコードブルーがとても好きになりました！ちなみに、劇場版は書かれたりするんでしょうか？お忙しいと思いますが、作成されたら飛んで読みに来ます！頑張ってください！ (2018年8月1日 18時) (レス) id: 132fe7823f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2018年4月4日 15時
