コード・ブルー -Blue steelyard 10-

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(third party． -第3者-)

輝かしい未来を。






あのどこまでも青い、大空の果てを。






立ちこめる暗雲のように蝕むそれは。





────────死。






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(横峯)

辻が谷駅の地下1階のコンコースに私と冴島さんが到着したとき、そこはすでに医師と看護師、そして数多くの患者で溢れていた。



「先生、まだ体温あります、お願いします！」



救急隊員の声にその患者を冴島さんと診るけれど、心音も対光反射もなかった。



「…脈、呼吸なし。

瞳孔も散大してます」


死の予兆のひとつである瞳孔散大を確認し、タグを赤から黒に変えてその場を離れる。



────香坂先生も、きっとこの作業を何度も繰り返して。



そして、いまのあの人が生まれたのだ。



別の場所へと歩き出そうとしたとき、視界の隅にくすんだ青が入った。



「…っ、冴島さん！」



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(冴島)

横峯先生の鋭い声に、何事かと彼女の指さしている方に目線を投げて、肩からさげた救命バッグを落としそうになった。



そこには、男の子に身体を支えられつつ足を引きずってこちらに歩いてくる、ずっと心配だった人の姿。



「藤川先生…っ！」

「はるか、悪い。

心配かけて」



目立って大きな外相は見受けられなくて、心の底から安堵する。



横峯先生とともに駆け寄って無事を確認したあと、そばにいた男の子の目線に合わせて膝を折った。



「ここまで連れてきてくれて、ありがとね」

「……が、…ってる」

「…え？」



聞き返そうとして、彼の胸元で揺れたそれが、駅の照明を反射し煌めく。



────ピンクゴールドのリングが通った、ネックレス。



「これって…」



横峯先生と私が再度男の子を見たのは、ほぼ同時だったと思う。



「これ…どうしたの？」

「助けてくれた先生がくれた…」



助けてくれた。



────Aも、生きてる…！



男の子は、目に涙を溜めてこう続けた。



「先生、埋まってる…、っ────！」



そのまま泣き出してしまった彼を、ただ抱き締める。



そっと顔を上げて、目線があった藤川先生は。



静かに、頷くだけだった。

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