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どうしようかと考えあぐねていると、瓦礫の向こうでかすかなうめき声が聞こえた。
────え…？
「大丈夫ですか、分かりますか!?」
声を張り上げただけなのに、こんなにも身体にだるさが押し寄せる。
「…う…は、はい…」
────さっき聞こえたのは、この人の…！
まだ、生きる理由ができた。
「すぐに、助けが来てくれます。
だから…一緒に頑張りましょう」
この人を────死なせるわけには、いかない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(白石)
ホワイトボードに貼られた地下道の設計図を見ながら、判明している状況説明が行われている。
「天井を支える岩盤の上に地下水が溜まっていて、それが崩落の原因のようです」
そう説明した消防隊員に、私は尋ねた。
「負傷者の数は？」
「辻が谷駅側の崩落の規模が分かっていません。
この付近は電源ケーブルが切断されて照明も落ちています」
まだ崩れるのか、と消防隊長が彼に問う。
「工事関係者が分析していますが、溜まっていた地下水は2度目の崩落で全部抜けたという見込みが高いです」
ならもう、崩落は起きない────そのことに少しだけほっとしたとき、新たな消防隊員が失礼します！と駆け込んできた。
「辻が谷駅で負傷したレスキューから連絡入りました。
被害、かなり大きいです。
亡くなっている人もいるようです！」
その言葉に、また心臓が冷える。
すぐさま消防隊員は辻が谷駅へ派遣されることとなり、私も医師と看護師も派遣しますと乾いた喉を動かした。
「横峯先生、冴島さん、辻が谷駅で待機して。
安全確認がとれ次第、現場に向かって」
「はい！」
頷いた横峯先生は素早く医療機材や薬品を救命バッグに詰め始めるために動き出す。
ほかの医師達にも指示を出してから、ふっと振り返った先にいた冴島さんは、ただホワイトボードに書かれたその名前を見つめていた。
藤川と香坂の隣に書かれた、“不明”の文字。
「冴島さん。
……行ける？」
────もし行って、そこに愛する人とかけがえのない仲間の、無惨な姿があったら？
きっとそれは、一生彼女の心に刺さり、残り続ける。
「────行けます」
冴島さんは、不安で揺れる瞳で、けれども力強く頷いた。
そんな彼女に、思わず声をかける。
「大丈夫。
藤川先生も────、Aも、きっと大丈夫よ」
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ふみ(プロフ) - 一言、凄く感動しました。作品に忠実でありながらオリジナルを綺麗に上手く組み込んでて違和感なく読む事ができました。お忙しいとは思いますがファースト・セカンドシーズン、スペシャルや映画の方の作品も期待してます、こっそり、堂々と！無理せず更新お待ってます！ (2018年8月15日 0時) (
レス) id: fa7ef13cd4 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - あとうひとつ、ではなくてあともうひとつ、ではないですか？間違ってたらごめんなさい。28です (2018年8月7日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - はじめまして！全部読ませてもらいました。少しわからないところもありました…最後死んでしまったのは悲しかったですが感動でした！ (2018年7月29日 13時) (レス) id: 598db5caaa (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - こんばんは。お疲れ様でした。ひと作品ひと作品大好きです。途中から来れなくなり、昨日残りを一気に読みした。涙なしでは読めませんでした。ayanelさんの作品が本当に大好きです！終わってしまいましたが今後のseason1や番外編も楽しみです！更新頑張ってください。 (2017年11月21日 1時) (レス) id: 68a6b7d888 (このIDを非表示/違反報告)
Appppppppple - 最初から最後まで読み始めたら止まらなくて、すごく好きです！主人公の波乱展開や次々と起こっていく奇跡に思わず涙をこぼしながら読ませていただきました。耕作との恋愛もじれったいけど思いあってるのが伝わってきてとても素敵でした！これからも頑張って下さい！ (2017年10月23日 18時) (レス) id: d7af8c4e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月20日 0時
