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(藍沢)
────ごめんなさい。
そんな声が聞こえた気がして、ふと顔を上げる。
「…藍沢先生？」
「……いや、何でもない」
すすり泣いているような、そんな声だった。
そのとき、遠くのほうから軽い足音が近づいてくるのが聞こえ、ふっと顔を上げる。
そこにいたのは、ここには居るはずのない彼女の姿。
肩で息をしながら、汗で頬に張り付く薄茶の髪を払いのけ、香坂Aはすっと俺の診ていた骨盤骨折の患者に手をのばした。
「………手伝います」
「…上にいろ、ここは危険だ」
「重傷者はここに居るんでしょう？
なら、私がここを離れるわけにはいきません」
と、そのときシーバーに1本の無線が入る。
『藤川です。
誰かひとりこっち来られねぇ？
血管損傷があるんだ、俺だけじゃとても…』
「藤川先生、香坂です、いまからそちら向かいます」
Aの声に、シーバーから藤川の嬉しそうな声がした。
『おおお、香坂！
お前来れたのか、いやぁ〜助かったわ！』
その明るい声に、彼女の顔も自然とほころぶ。
「雪村さん、患部に瓦礫や埃が入らないよう、注意してて。
じゃあ、よろしくお願いします」
そう言って、また小走りに奥へと駆けていく。
緋山が診ている頭部外傷の妊婦には、新海がついているはずだ、問題はないだろう。
いま思えば、これが彼女の姿を確認できた最後だった。
藤川のいる場所と俺との距離は約20メートル。
Aの姿は障害物に隠れ、やがて見えなくなった。
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リラン(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！読むたびに次をもとめてしまう！今後も期待してます！話は変わりますが、少年陰陽師読んだことありますか？何となく文が似ている所があってずっと気になっていたんです。急に質問すみません。もし知らないのであれば申し訳ないのですが… (2019年2月12日 12時) (
レス) id: c050d878db (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 18、大大抵ではなく、大抵では？ (2018年7月4日 20時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
鈴子 - コードブルー好きにはたまらないね\^-^/ (2017年10月14日 21時) (レス) id: bbbfeb8862 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！更新される度に続きが気になって気になって！最終回、楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2017年9月19日 23時) (レス) id: e98d2ab7a8 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢せんせすき - 面白すぎます笑楽しみにしてるので更新頑張ってください^ ^ (2017年9月19日 22時) (レス) id: 0944e50e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月12日 0時
