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(香坂)
それから日が経ち、私の頭の包帯は取れ、背中も走れるくらいまでは治った。
恵ちゃんにはやっぱAの回復力超人並み…とビビられたが、そこはスルーだ。
救命の医療会議で緋山先生の隣に立つ。
「美帆ちゃん、恵ちゃん家に泊めてもらえることになったんだって?
良かったじゃん」
「ほんっと。
無理だったらあんたのホテルに押しかけようかと思ったわ」
くすくすと笑っていると三井先生が来られて、部屋の空気がぴんと張り詰める。
「ご迷惑をおかけして…すみません。
一番人手が足りない時期に、勝手なことをして…、理解してくれて…感謝しています。
ありがとうございます」
そう言って頭を下げる三井先生に、何とも言えない気持ちになってしまう。
思わず俯くと、美帆ちゃんは黙って肩を撫でてくれた。
その気遣いが、いまではこんなにも救いになる。
「……さてと、この話はこれで終わりだ。
カンファレンスを始めるか────おおっと、その前にもうひとつ、話がある」
橘先生、ちょっと嬉しそう…。
「なぁに、あんた知ってんの?」
「ふふ、まあね」
「フェローたちに新しく加わる指導医を紹介する。
…香坂」
私が足を踏み出すと同時に、後ろのドアが開いた。
皆が一斉にそちらを振り返る。
「…来たよ」
「何だよ、また俺と張り合う気かよ」
「え、それはちょっと無理じゃない…?」
「えっ、香坂!?」
彼は私の隣までやって来ると、くるりと皆の方を振り返る。
「既に知っていると思うが……。
脳外科から来た藍沢先生だ。
そして香坂先生には、白石の補助として、サブリーダーを務めてもらう。
二人とも非常に優秀な医者だ!何かあればすぐに相談するように」
「よろしく」
「よろしくお願いします」
私はぺこりと頭を下げる。
────こら、耕作も頭下げんかい。
そんなこんなで────私たちの救命は、再始動したのだった。
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恵李 - こんにちは。恵李です。1年前からほとんど毎日見てます!続編よろしくお願いします!あの〜質問questionなんですけど、何歳ですか?私は華のJK16歳ですけど教えてください!! (2022年10月19日 22時) (レス) @page10 id: 18a46fedc8 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ayanelさん» こんにちは… (2021年9月10日 11時) (レス) id: 9a04ef101c (このIDを非表示/違反報告)
レー - 質問というか聞いていいですか? (2021年3月8日 22時) (レス) id: 88b0f39677 (このIDを非表示/違反報告)
フラ - 作品を参考にしてよろしいですか?? (2020年9月11日 22時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - とても作品内容は面白く読ませて頂きました。一言申し上げるとセリフの前に名前を書いていただけると誰のセリフだか分かりやすくてもっと良い作品になると思います。素敵な小説ありがとうございました。 (2019年12月31日 0時) (レス) id: 8f8d498a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayanel | 作成日時:2017年7月25日 21時