壊れかけのスノードーム

焦りと不安は紙一重　ymmt ページ12

恋人が他の男の人と歩いている、そんな場面を目撃した時の正しい対応は？


1.気が付かないふりをしてその場から離れる

2.恋人の元へ行ってどういうことかと詰め寄る


どうやら僕は1番のタイプだったようだ。僕も今こうちゃんといたから、とかここは人が多いから、とか言い訳を探すけど本当は彼女の口からあの人のことが好きだから別れて、と言われるのが怖くて逃げた。


｢…さん、山本さん！｣

｢あ、こうちゃんどうかした？｣

｢すごくぼーっとしてるからですよ！どうかしましたか？｣

｢んーん、何でもないよ〜｣


先程の光景が忘れられずにぼーっとしてしまっていたようだ。こうちゃんにバレる訳にはいかない。しっかり気を引き締めないとな、と思いながらオフィスに向かった。


｢山本、どうした？｣

｢え？｣

｢いつもならしないようなミスがすごく多い。…何かあったんでしょ｣


この会社の人たちは基本的にすごく鋭い。あまり隠し事が出来そうにない。でもこれはプライベートなことなので職場に私情を挟みたくなかった。


｢まぁ、何とかするので大丈夫です。ご迷惑おかけしてすみません｣

｢…よし、山本今日はもう上がっていいよ。その問題を解決してこい｣

｢え、でも…｣

｢大丈夫。山本の穴埋めくらいできるよ｣


…やはり伊沢さんはCEOだ。社員一人一人をしっかりサポートしてくれる。


｢すみません、じゃあ今日はお先に失礼します｣


カバンを持ってオフィスを飛び出す。スマホを取り出して彼女のトーク画面から彼女に電話をかける。


『もしもし、どうしたの？今お仕事中じゃ…』

｢それは大丈夫。今から会えない？｣

『いいよ、いつものところで待ってるね』

｢すぐに行くね｣

『でも急だね、どうかしたの？』

｢ちょっとね｣

『まあいいや、じゃあまた後でね』

と、少し会話をして通話を終了させた。


オフィスからいつもの場所まで歩いて行くと少し時間がかかる。彼女を長時間待たせる訳にも行かないので僕はダッシュで彼女との待ち合わせ場所に向かった。

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