壊れかけのスノードーム

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『気持ちいい〜〜〜！』寒い寒い外から帰宅した23時。すぐにお風呂を沸かして湯船に浸かる。最近は専らこの時間が一番癒しの時間といっても過言ではない。今日は研究を頑張った自分へのご褒美も込めて入浴剤を入れた。入浴剤一つでこんなに変わるものか。今日はいつも以上に疲れた。でも今日で今年の研究納めだ。…それに須貝先輩に会うのも今年最後だった。次に会える日までもう一週間以上も会えなくなるのか。まぁ私がどうこう言って変わることではないのだから素直に諦めよう。
そんな私が
｢今年も一年お疲れ様！良かったら今度忘年会的な感じで一緒に呑まない？｣
なんてLINEが着てることに気がつくのはまた別の話。

今年の会い納め sgi






｢いやもう本当に申し訳ない…｣なんて言って頭を下げるのは彼氏の拓司君。今日はもう12月29日で今年も残すことあと2日となった。『なんでコツコツと掃除してないの？』｢すいません…｣年末の大掃除(普段の掃除も)サボっていた結果が今の彼の家の惨状だ。服はヨレヨレ、本も乱雑に色んな所に置かれている。『少し色々断捨離しようね』｢はい…｣今日の拓司君は私に頭があがらないのかとても素直だ。変にかっこつけることもないし。『私じゃよく分かんないから私は要らないって拓司君が言ったものを纏めるね』｢あ、でもAでも分かる捨てないのあるよ？｣『へ、なにそれ？』｢A｣『っ〜〜〜、からかってないで早くやろ！』
私の方こそ絶対に捨てられてやるものか！

廃棄は受け付けておりません izw






『雪降らないかなぁ』もうこれ以上気温が下がってほしくないと願う僕とは反対に君はそんなことを言う。｢これ以上寒くなるのは嫌だなぁ｣
『わっ、河村さん居たんですか。急に後ろから声かけないでください！』｢ごめんね｣『全くもって感情がこもってない！』なんてぷりぷりと怒る彼女はとても可愛らしい。…口が裂けてもそんなこと言ってあげないけど。｢それで？雪降ってほしいの？｣『はい！なんだか空からの贈り物って感じがして綺麗じゃないですか』｢溶けたら綺麗じゃなくなるのに？｣『溶けるからこそ綺麗なんですよ』なんて笑う君の笑顔はさながら雪の妖精みたいで。
お願いだから君は冬が終わっても雪みたいに溶けて消えないでね。

雪の妖精 kwmr

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