満月に想いが隠れて sgi ページ31
『せんぱーい!今日は中秋の名月らしいですよ!お月見しましょう!!』
「本当の満月は明日の朝方らしいぞ?」
『え、そうなんですか!?…でもいいのでとりあえずお月見です!!今日!!』
話の切れ目に必ずと言っていいほどにビックリマークがつくAちゃんは、俺の後輩である。
本人曰く俺を追いかけて東大まで来た、らしい。高校の頃から懐いていてくれていた気はしていたが、ここまでだったとは。
『んー、流石にお団子とかススキとか全部を用意するのは難しいですかね…』
「コンビニで適当にお団子買って来るのじゃダメか?」
『…!!先輩天才ですか!』
「はは、もっと崇めてくれてもいいんだぞ?」
『さすが先輩!ナイスガイ!』
こうやってワイワイと騒げる距離感は楽で楽しい。…しかし、俺としては最近この距離感がもどかしくなってきている。
『先輩、私コンビニ行ってきますけど先輩もお団子でいいですか?』
「え、今から行くの?」
『そうですよ?』
「女の子なんだからこんな時間に一人で出歩いちゃダメでしょ。俺が買ってくるから待ってて」
そう伝えると、すごく渋々といったような表情で分かりましたと言った。
「まぁ可愛い後輩のために早く買ってくるから待ってなさいな」
と言って急いでコンビニまで向かった。
コンビニに着くと丁度よさそうなみたらし団子をレジ横で見つけたのでそれを手に取りお会計を済ませ彼女の元へと急いだ。
『あ、先輩!おかえりなさい!月、綺麗でしたか?』
「Aちゃんと一緒に見るためにまだ一回も見てないよ」
『え、嬉しい!じゃあ見ましょう、すぐ見ましょう!』
と、彼女の言った通りに空を見上げると空には綺麗な月が輝いていた。
月が綺麗だね、なんてベタな事でも言えたらいいのに。臆病な俺はそんなことは出来ない。
『…月、輝いてますね。先輩』
「ん、めちゃくちゃ輝いてる」
二人の想いが通じるまであと────
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音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 本当ですか!!そう言っていただけて嬉しいです!リクエストありがとうございましたー! (2020年12月14日 8時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます。まさにって感じです!笑 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 解釈違いでしたか…。ごめんなさい…。新しい作品を書かせていただきますね!申し訳ございませんがもう少しお待ち下さい…! (2020年12月10日 7時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます!こっちのバージョンも好きなんですが彼女は年下であまり賢くなくて頑張って伊沢さんが出した本を読んでてそれに気づかない伊沢さんにかまちょされるイメージでした...。 (2020年12月8日 9時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» わー!お返事遅くなってしまいすみません…!リクエストありがとうございます!できるだけ急ピッチで書かせていただきます! (2020年11月23日 9時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音穏 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月21日 21時