成長できない君と僕 kwmr ページ17
実家にたまには帰省しようかと思いふらりと帰省してきた。
家に顔を出すと少し驚かれたが、おかえりと迎え入れてくれ今は自室で羽を伸ばしている。
たまには都会の喧騒から抜け出してここでのんびりするのも気が楽でいいな、と思っていたのに母親からの買い物を頼まれ真夏の外に放り出されてしまった。
買い物を終え家路についていると後ろから河村…？といった女性の声が聞こえた。
条件反射で後ろを振り向くとそこにはAがいた。
『やっぱり河村だ、久しぶりだね』
｢A、久しぶり｣
『東京行ったんじゃなかったっけ？』
｢久しぶりに帰ってきただけ。また明日には帰るよ｣
そう告げると彼女は目を細めてそうなんだと呟いた。
彼女が目を細めるのは何か言いたいことがあるけど言えないときの癖だ。変わらないな、と思いそこに少しの嬉しさを覚える。
｢何か言いたいことあるの｣
びっくりした様子の彼女に癖がでてたと伝えると、成長できてないなぁと自嘲的に笑った。
『…少し話さない？』
｢…いいよ｣
『じゃあ30分後に私の家に来てね』
と告げて彼女は去っていった。
＊
｢お邪魔します｣
『どうぞ、少し部屋汚いけど』
それから約束の時間になって僕は彼女の部屋を訪れた。手には昔彼女と一緒に食べていた水羊羹を持って。
｢これどうぞ｣
『あ、水羊羹？じゃあお茶持ってくるね』
キッチンからは氷とグラスのぶつかる音も聞こえる。
『あのね』
｢うん｣
『河村に言いたいことがあって』
｢うん｣
『私実は結婚することになったの』
驚いた。少なくとも直ぐに返事をすることが出来ないくらいには。
『だからちゃんと言っておきたいことがあって』
『河村は私のことなんて忘れていいからね。だから、絶対に幸せになってね』
彼女は声を震わせながら、でもしっかり僕に思いを告げるべくまっすぐ僕の目を見つめる。
｢そっか｣
ここで僕はどういった行動をとるのが正解なのかが分からなかった。彼女の手をとって結婚しないで、と言うべきなのか。でも臆病者な僕にそんな勇気はなかった。
｢…結婚おめでとう、A｣
だからせめてもの彼女への反抗と共に祝福を告げるのだ。
もう一度、彼女の気持ちが僕の方に傾くことを期待して。
────成長できない君と僕 水羊羹
今宵、ワングラス分だけ ymmt→←トマトに魔法をかけましょう fkr
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音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 本当ですか！！そう言っていただけて嬉しいです！リクエストありがとうございましたー！ (2020年12月14日 8時) (
レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます。まさにって感じです！笑 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 解釈違いでしたか…。ごめんなさい…。新しい作品を書かせていただきますね！申し訳ございませんがもう少しお待ち下さい…！ (2020年12月10日 7時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます！こっちのバージョンも好きなんですが彼女は年下であまり賢くなくて頑張って伊沢さんが出した本を読んでてそれに気づかない伊沢さんにかまちょされるイメージでした...。 (2020年12月8日 9時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» わー！お返事遅くなってしまいすみません…！リクエストありがとうございます！できるだけ急ピッチで書かせていただきます！ (2020年11月23日 9時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音穏 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年7月21日 21時
