黒猫が前を通ったので sgi ページ25
しまった、大雨に降られてしまった。
今日の朝は寝坊をしていたので天気予報を確認する時間もなく、その時は晴れていたからという安直な理由で傘を持ってこなかった。
『ついてないな』
そう、今日は本当についていないのだ。寝坊もしたし、仕事場ではいつもならしないようなミスも連発。お昼にはポテトサラダを落としてしまった。(幸い服にはつかなかったが)
そしてこの場にきて傘を持っていないのに大雨に降られる。これをついていないと評さなかったら何がついていないになるのだろうか。
スマホで調べてみるが暫く雨は止みそうにない。むしろ強くなっていきそうだ。
仕方がないので彼に連絡して仕事終わりに迎えに来てもらうことにしよう、そう考えてスマホを操作するのであった。
30分程経った頃。
mb「あれ、Aさん?帰ったんじゃなかったんですか」
そう言って話しかけてきたのは私が担当している後輩くんだった。
『あー、傘もってなくて。雨酷くなる前に帰った方がいいよ〜』
「じゃあ俺の傘に入っていかれますか?」
私にとってはとても有難い申し出ではあったが、彼氏のいる身として他の男と相合傘はいただけないだろう。
『うーん、気持ちだけ受け取っとくよ。ありがとう』
「でもこのままだと先輩が風邪ひいちゃいますよ、遠慮なんていいので入ってください」
この後輩の気持ちは嬉しいのだが少しグイグイこられすぎて怖い。
『いや、本当に大丈夫だから』
「俺と先輩の仲じゃないですか。さ、行きましょ」
そう言って腕を掴まれ強引に歩き出す。
その時、
「おーいA〜。迎えに来たぞ」
『あ、須貝さん』
「あなた誰ですか?先輩は俺と帰るんですけど」
「え、俺の彼女なんだけど。どうせその状態みた感じだとお前が一方的に腕引いてるだけだろ。Aは俺が連れて帰るから。行こ、A」
『あ、うん。気持ちは嬉しいけど私この人と帰るね』
後ろからは後輩の舌打ちが聞こえた気がしたが気にしないでおこう。
『ありがとうございます、須貝さん』
「いーえ、間に合って良かった」
「あの後輩じゃなくて俺と相合傘して帰ろ」
『はい!』
「あ、でもあの後輩には気をつけてね」
『大丈夫ですよ、私にとって一番は須貝さんなので』
そう言って彼を見上げると嬉しそうに笑っていた。
「俺もAが一番だよ」
やっぱり今日はついてる日だ。
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音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 本当ですか!!そう言っていただけて嬉しいです!リクエストありがとうございましたー! (2020年12月14日 8時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます。まさにって感じです!笑 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 解釈違いでしたか…。ごめんなさい…。新しい作品を書かせていただきますね!申し訳ございませんがもう少しお待ち下さい…! (2020年12月10日 7時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます!こっちのバージョンも好きなんですが彼女は年下であまり賢くなくて頑張って伊沢さんが出した本を読んでてそれに気づかない伊沢さんにかまちょされるイメージでした...。 (2020年12月8日 9時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» わー!お返事遅くなってしまいすみません…!リクエストありがとうございます!できるだけ急ピッチで書かせていただきます! (2020年11月23日 9時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音穏 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月21日 21時