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「もう言うよ！ 大我に口止めされてるけど言う！ 俺は言うからな！」
橋本さんは、叩きつけるようにクッキーの箱を置いて私を見た。「大我はね、大学生の頃からずっとAちゃんのこと好きだったんだよ！」
胸を突かれたような心持ちがした。
まさか。有り得ない。
「そんなわけ……」
しかし、あの人はあの夜確かに言っていた。
入社当時の私を見たことがある、と。
理由は、私が社長の後妻になるため入社したと思っていたから。
社長の奥様に、大我さんのお母さんに、私が似ていたから。
「嘘じゃない。あいつが留学する前に、マンションのラウンジに呼び出されて頼まれた」
「何をですか？」作間くんが尋ねる。
「前から気になってる女性がいる。身寄りがなくて、夜遅くまで働いて弟を１人で育ててるのを心配してる、って。だから、自分が日本に帰るまでお前が目を掛けて欲しいって言われた」
このバイト先も大我さんから聞いて知ったのだと彼は言った。
つまりは、私と橋本さんがここで会ったのは偶然などではなく、大我さんの意図するところだったということになる。
「……でも、大我さんははっきり言ったわけじゃないですよね」
「だって俺、あいつが留学してた２年間で、『あの子に手出したら地方の支社に飛ばす』って百回は脅されたもん」
橋本さんは唇を噛んで私を睨んだ。
「それに大我の顔見れば、Aちゃんのことが好きなのくらいすぐ分かるよ」
僕もそう思います、と作間くんが言った。「男は好きでもない女性にキスしません。ましてや、それをわざわざ謝りに来たりもしません」
「……ねぇ、本当はAちゃんも分かってたんじゃないの？」
橋本さんが私の制服を引っ張った。「プロポーズを受け入れるかどうかは、Aちゃんの自由だよ。……けど、ちゃんと大我に向き合ってからにしてやって？ じゃないと、あいつの気持ちはどうなるの」
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真澄(プロフ) - 爽さん» ありがとうございます！早く明るい話に持って行けるように頑張りますね！ (2021年10月20日 21時) (
レス) id: aa6f36c2c4 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ありがとうございます！次も気になって仕方ないです (2021年10月12日 22時) (レス) @page37 id: 3c9be1cb24 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - みなこさん» 伏線はすごく頑張って敷いているので嬉しいです。本当に救ってあげて欲しいですね( ；∀；) (2021年10月1日 23時) (レス) id: c611a69c7e (このIDを非表示/違反報告)
みなこ(プロフ) - 改めて最初から読み返すと色々な伏線があって、すごく納得しました。切ない苦しい思いを抱える主人公を、大我さん救ってあげて、、！という気持ちで続きを待っています。 (2021年9月29日 0時) (レス) id: 58140af225 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 浬さん» 恐縮です！ありがとうございます😂 (2021年9月24日 23時) (レス) id: c611a69c7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年8月17日 11時
