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眼下の大阪駅からは、赤いラインカラーの電車が発車するところだった。
あの日、この電車に乗らなければ。
父と母を置いてこの街に来なければ。
私の人生はどう変わっていたのだろう。
窓枠に腰掛け、眠らぬ都会の夜景をぼんやり眺めていた。
突として室内に鳴り響く無機質な音。
びくっと首をすくめた。
誰かが廊下からチャイムを鳴らしている。
扉の前に立ち、ドアスコープに片目を近付けた。
その場にいた人物に驚き逡巡したものの、少しだけドアを手前に開く。「……どうされたんですか？」
ノーセットの髪がさらさらだった。黒いジャージの上下を着ている。
眠いのか、少し不機嫌な感じの表情に見て取れた。
「寝惚けて、ベッドルームのドアと間違えて廊下に締め出された」
とりあえず入れて、と無愛想に大我さんは言った。
「……え、えっと」
突然のことに戸惑い、ドアをさらに少し引いてしまう。
細身の彼はその隙間から部屋に入ってきた。
「フロントに電話しますね」
「いいよ、眠いし」
部屋の真ん中まで進んだ大我さんは、窓の外をちらりと見る。
それから私を振り返って言った。「ここに泊めて」
「え？」
私が使っていない方の枕をセットして、彼はひとつしかないベッドの奥側に寝転んだ。
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爽 - 続編消えたと思って焦りましたw続き読んだらドキドキし過ぎて一瞬で持ってかれました。 (2021年7月26日 14時) (
レス) id: 69f8ee2e96 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 爽さん» だいぶ大人なお話になってきましたが、今後ともよろしくお願いします！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - キャンディタフトとは違った少し大人なこの作品も好きだなって思いながら毎回楽しみなです。 (2021年7月14日 14時) (レス) id: 9c49d7f5d5 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - みなこさん» コメントありがとうございます。16章は２人の距離がすごく縮まっていくのでぜひ読んで頂きたいです！ (2021年7月3日 8時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
みなこ(プロフ) - 二人の距離がもどかしくてすごく続きが気になります笑 (2021年6月30日 0時) (レス) id: 58140af225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年5月21日 14時
