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「私……ですか？」
「うん。なかなか良いと思わない？」
笑って頷いた。「……はい。とっても素敵だと思います」
でしょ？と大我さんが楽しそうにワイングラスを傾けた。「これが俺の夢だな」
「Aは？」
大我さんが聞く。「夢というか、やりたいこと」
膝を抱えてしばし考えた。
「……長閑な田舎町で、海辺の景色でも眺めながらぼーっと暮らしたいです」
「ご隠居さんじゃん」
「たまに弟や友達が訪ねてくるのを楽しみに生きる、そういう慎ましい生活ができれば私はそれで」
空になった大我さんのグラスにワインを注いでいく。「大我さんも、奥様とお子さんを連れて遊びに来てくださいね」
「俺は友達枠で呼んでもらえるのね」
甘いよA、と彼は真剣な顔になった。
「そんな有閑貴族みたいな生活、実はめちゃくちゃ金がかかるんだよ」
「分かってますよ」
「そういうのは定年後の楽しみに取っておくものなの」
「だから今のうちに、あなたの下で頑張って働いてるんじゃないですか」
世間知らずの癖に、時折ビジネスマンらしい現実的なことを言ってくる。
「ただの夢だからいいんです」
拗ねた表情を作り、自分のグラスにもワインを満たそうとした。
一足先に大我さんがボトルを取って注いでくれる。
グラスの脚を指先でつまみかけた時。
その指を大我さんの手によって絡め取られる。
「……でも、いいよな。そういう人生も」
腰を掴まれ、引き寄せられた。
「大我さん……？」
いつもの15分間と同じ体勢になる。
違うのは、今が仕事終わりではないこと。
それと、ここは常務室ではなく彼の家で、正真正銘の２人きりであるということ。
「……酔ってるんですか？」
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爽 - 続編消えたと思って焦りましたw続き読んだらドキドキし過ぎて一瞬で持ってかれました。 (2021年7月26日 14時) (
レス) id: 69f8ee2e96 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 爽さん» だいぶ大人なお話になってきましたが、今後ともよろしくお願いします！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - キャンディタフトとは違った少し大人なこの作品も好きだなって思いながら毎回楽しみなです。 (2021年7月14日 14時) (レス) id: 9c49d7f5d5 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - みなこさん» コメントありがとうございます。16章は２人の距離がすごく縮まっていくのでぜひ読んで頂きたいです！ (2021年7月3日 8時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
みなこ(プロフ) - 二人の距離がもどかしくてすごく続きが気になります笑 (2021年6月30日 0時) (レス) id: 58140af225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年5月21日 14時
