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大我さんは満足そうに私の表情を覗き込んでいる。
１枚目がこれと分かった上で何も言わずに渡したな。
まんまと術中にはまったのが悔しかったので、「そこそこですね。うちの弟にはかないませんけど」と強がりを言う。
「このプリティーボーイにそこそことか言った人間初めてだわ」
「だって弟は、芸能事務所にいっぱいスカウトされてましたし」
「俺だってジャニーズからスカウトされたことあるしぃ」
ページをめくってもめくっても美少年。
「ねぇ、もっと１枚ずつちゃんと見て感想言ってよ」
「はいはい、可愛いです全部」
「可愛いのは分かってるよ。もっと別の表現ないの？」
最後の１ページにだけはウェディングフォトが貼られていた。「わぁ。社長、若くてかっこいい」
隣に立つ、ウェディングドレスの女性へと視線を移す。
これが、大我さんのお母さん。
「……似てますかね？」
「似てるよ、目元らへんとか」
「私はこんなに美人じゃないですよ」
言われてみると似てないこともない……気もするけれど、そっくりとかでは全然ない。
写真の中の２人を見つめた。
「大我さんって、お父様にもお母様にも似てるんですね」
「そうなのよ。良いとこ取りのハイブリッドっていうか」
「大我さんはどなたかと結婚されないんですか？」
写真を見つめたまま、自然と言葉が零れた。
何か他意があったわけでもなく本当にぽろっと飛び出した疑問だったが、一瞬焦る。
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大我さんは、「そうだなぁ」といつも通りの口調で言った。「そりゃ、そのうちにはね。俺みたいな職業って、なんだかんだパートナーがいて初めて一人前として扱われるとこあるから」
「なるほど」
「あと、一応俺も跡取りだから子供も作らなきゃだし」
恵まれた家庭に生まれ、用意されたレールの上を歩いていく人生も決して楽ではない。
こういう家に生を受けた人には、それなりの苦労があるのだと改めて知った。「……大変ですね、大我さんも」
「そう？ 俺は結構楽しみにしてるんだけど」
大我さんは明るい声で頬杖をつく。
「涼や樹や……松村くんもだけど、そういう奴らとわいわい仕事して。家に帰れば、綺麗な奥さんと可愛い子供が待ってくれてる毎日だよ？ 休みにはハワイ旅行なんかしてさ。すごい楽しくて幸せそうじゃん」
彼がこちらを向いた。「そういう人生、Aはどう思う？」
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爽 - 続編消えたと思って焦りましたw続き読んだらドキドキし過ぎて一瞬で持ってかれました。 (2021年7月26日 14時) (
レス) id: 69f8ee2e96 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 爽さん» だいぶ大人なお話になってきましたが、今後ともよろしくお願いします！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - キャンディタフトとは違った少し大人なこの作品も好きだなって思いながら毎回楽しみなです。 (2021年7月14日 14時) (レス) id: 9c49d7f5d5 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - みなこさん» コメントありがとうございます。16章は２人の距離がすごく縮まっていくのでぜひ読んで頂きたいです！ (2021年7月3日 8時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
みなこ(プロフ) - 二人の距離がもどかしくてすごく続きが気になります笑 (2021年6月30日 0時) (レス) id: 58140af225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年5月21日 14時
