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「大我？」
橋本さんがびっくりしたように声を上げた。「Aちゃん、大我って呼んでんの？」
めんどくさいな。
「京本常務のことで」と言い直したにも関わらず、「えっ、もうそーいう関係だったりする？」と１人で盛り上がっている。
「常務と呼ばれるのは犬みたいだから嫌なんだそうです。私の意志ではないのでスルーしてください」語気を強めてそう告げると、彼もさすがに大人しく口を閉じた。
「ごめんってば。……なんだっけ、大我のこと？」
「はい」
橋本さんは再び嬉しそうに歯を見せた。「あー、大我ね！ いいやつでしょ？ 俺と違って頭いいし、仕事もできるし、真面目だし」
「はい。その点は一緒にお仕事をさせて頂いて、いつも感じてます」
「でしょー？ あとさ、ああ見えて昔から女の子には超一途なの！ 俺と違って浮気なんて絶対しないし、付き合ったらもう、その子しか見えないって感じ！」
そんなところにまで“俺と違って”を付けなくていい。
ということはあの人、恋人はいないのか。
ここしばらくの彼との関係には、契約とはいえ後ろめたさがあったから安心した。
「金あるし顔いいし一途だし。もうね、超優良物件よ！ おすすめ！」
不動産屋みたいに勧められた。
しかし、聞きたかった本題はそこじゃない。
「鉄の女だったAちゃんが大我に興味持ってくれるとはね〜。俺が何年もこの店に通わされた甲斐があったわ」
「……え？」
はっと橋本さんが両手で口を押さえる。どういうことだ。
「橋本さんがうちの店に来るのと、大我さんと、何か関係があるんですか」
「ないよ。あるわけないじゃん。……そういうことにしといて」
やべぇ大我に殺される、と彼が小さく呟いたように聞こえた。
「で、なになに？ 俺に聞きたいことって」気を取り直して、橋本さんがわざとらしく咳払いをする。
「……あの、大我さんの」
「うんうん、大我の？」
楽しそうに私の目を覗く。
「……大我さんのお母様は、なぜ亡くなられたんでしょうか」
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爽 - 続編消えたと思って焦りましたw続き読んだらドキドキし過ぎて一瞬で持ってかれました。 (2021年7月26日 14時) (
レス) id: 69f8ee2e96 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 爽さん» だいぶ大人なお話になってきましたが、今後ともよろしくお願いします！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - キャンディタフトとは違った少し大人なこの作品も好きだなって思いながら毎回楽しみなです。 (2021年7月14日 14時) (レス) id: 9c49d7f5d5 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - みなこさん» コメントありがとうございます。16章は２人の距離がすごく縮まっていくのでぜひ読んで頂きたいです！ (2021年7月3日 8時) (レス) id: e861df9d71 (このIDを非表示/違反報告)
みなこ(プロフ) - 二人の距離がもどかしくてすごく続きが気になります笑 (2021年6月30日 0時) (レス) id: 58140af225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年5月21日 14時
