花のような君に恋をした3

134話 ページ35

剛 side



今日はなぜかいつも以上に 光一が俺を見ていた気がする。


…監視のほうがいいレベルで、見られていた。





剛「お休みなさいませ」





肌触りの良い 薄い布団を光一にかけてやる。


額にキスをして、部屋から出た。





剛「……ふぅ…」





さて。





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剛「えらい待つやんか」





女「っ、！」





剛「なにしてんの？こんなところで」





門より少し離れたところにタクシー 一台と女。


タイトワンピースの色が黒いせいで よく見えないが、手元のスマホが少しだけ顔を照らしてくれる。





女「剛に会いたくて」





剛「会いたくてここまで来たん？

なんでここ知ってんの？」





女「ん〜、」





コイツは多分、長ちゃんが言うとった女。


確かに数か月前までは俺の客で、それも金払いのいい(良すぎる)客だった。





女「いいじゃない。そんなことより 食事行かない？」





間違いない。


あの日、監視カメラに映ったタクシーはこの女を乗せたタクシーだ。


……あぁ なるほど、これじゃあ外からは室内が見えない。





剛「もう２３時やで。行かへんよ」





女「あの女とは行ったじゃない！」





・・・・。


そんな叫んだら警備来るやろ…。タクシーのおっさんもびっくりしてるしやな。





女「なんであの女はよくて、私はダメなのッ？！」





剛「ええからもう戻り。遅いし、危ない」





女「なんであの女はよくて、私はダメなのッて

聞いてるのッ！なんでよ！」





あぁ 頭が悪い。諦めが悪い。ヒステリック。


ここまで来たんだから 辞めたことくらい知ってるだろうに。


いつまでもホストの俺に泥酔して、振り回されて。ほんまに頭悪い。





剛「職場の先輩やから 食事に行っただけや」





女「膝の上に座って、あんな距離でッ、

キスまでしてたじゃないッ。説明してよッ」





剛「さぁ 覚えてへんわ」





女「…っ」





ギリッと噛んだ唇を 照らした。


眉も皺が寄り、さらに人相が悪い。





剛「すいません、彼女を家まで送ってください」





運「え？」





剛「おつりいらないので」





運「あ、あぁはい。かしこまりました」





女「…剛…、私…帰らないから…、」





ドアを開けて、先へ促す。





剛「俺はもう 戻らへん。ここで会うのも最後や」

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