夢見る気持ちは ページ7
.
すこし遅いと感じたみたいで駆けよってくれた光に、気持ちをゆだねてしまいそうだった。
光「おせえ」
A「ごめん、」
光「なにかあった?」
A「…」
光「とりあえず戻んないと」
A「うん、…」
ごめん、
ちいさい声でもれたその言葉に反応してくれないまま、バスに戻った。
先生が好きと思ってから、まるで「やめといたほうがいい」「好きなのをやめろ」と言われているように、タイミングがすべて悪く思う。 先生、好きだとただ思うだけでもだめなの?
夢見る気持ちさえも、いけないの? …じゃあ、この気持ちはどこに捨てたらいいの。
.
A「川西先生って、やっぱり彼女いるのかな…」
光「なに?川西せんせが好きだったの?」
A「っ……。」
大貴「うーわ図星かよ」
A「うるさい大貴」
大貴「そりゃあいるでしょ〜、かっこいいし彼女のひとりやふたり…」
光「だいちゃん」
大貴「なあに泣きそうになってんだか」
A「まだ泣いてないもん」
『Aちゃん川西先生のこと好きなん?』
次の準備をしながら話していると、後ろからほわほわ〜〜っとした声に呼ばれて振り向くと体育の先生、秋山先生だった。
大貴「秋山先生…! あそうだ、秋山先生、川西先生と仲良かったっしょ?川西先生彼女いるの?」秋『ええ彼女ぉ?居らへんよ、だって冬に別れたって聞いたもん。』「え、でも、」
ひかると見た、繁華街で見たあのキスはなんだったの、とてもきれいな人とふたりでえっちなお店から出てきて、大人な雰囲気ぷんぷん出して、あのひとは、彼女じゃないの?
秋『賢ちゃんは、Aちゃんが思ってるほど、そんな純な男ちゃうねんで?』
またしても秋山先生の意味深なセリフに、大人と子供の差をつけられた気がした。
28人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずたき x他1人 | 作成日時:2018年11月10日 21時