★ (ページ36)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:10,096 hit

甘い熱だけ残してページ36

.

家に帰ってきたのは22時を過ぎていた。今日から夏休みだからって浮かれすぎなんじゃないのってお母さんから言われてイライラしちゃうのは思春期？自分で言うけど。
　
　
いつものように毎日毎日してること、でも今日だけはなにかが違う気がしてた。ただただ、気がしていただけのこと。
　
　
SNSには先ほど撮った集合写真と、「また集まろうね、楽しかった」の文章。今日初めて遊んだだけなのにどうしよう、もう当分は会わなくていい。だからいつまで経ってもクラスに馴染めないのかな。
　
光や大貴は人懐っこいから、すぐにみんなと仲良くなれて、山田は人見知りっていうだけで、ある程度話してみたらおもしろいやつだし、。わたしは、…なんなのかな。いまだに特別仲がいい子もいなければ、恋愛の話で盛り上がるような子、アーティストが出る番組について話す子、あれ、いないな。
　
　
.

そういえば春からずっと、先生に恋をしてから先生のことだけでいっぱいで、先生が私の世界を回っていて、先生のことだけを思っていた。
　
何をするにも先生がいたから。…さっきだって遊んでるときも先生今なにしてるかなって、思って、…
　
　
忘れようにも、忘れたくないってもうひとりの自分が言う。この恋心簡単に捨てれるわけないでしょって。もったいないよって。
　
　
ベッドに横になって、目を瞑っても、川西先生がまぶたの裏に映し出される。
　
　

.

明日から夏休み一日目、どうしようか。
　
　
　
.