恋愛ひよこいちねんせい / aki ページ30
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akiyama side.
無理に笑おうとして、次は感情がこぼれてしまいそうなのを、子供ながらにぐっと我慢している。
この子が思っとることはさっぱりやけど、このカップケーキが誰に渡される予定やったんかは初めから確信してる。
A「……っ、」
ついにその場所にしゃがんでしまったAの耳は真っ赤で、すこし泣いてるようにも見えた。
秋「どうしたん?… ちゃんと美味しそうやで?」
A「ちがう、違う…、」
秋「だいじょうぶやって、なあ、A」
A「秋山せんせ、ごめんなさい」
秋「賢ちゃんのために料理頑張ってきたんやんか、」
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ある時は積極的で、ある時は消極的で。
こんな必死になっとる子久しぶりに見て、俺やってゆずるやって、信二やって応援してきたやんか。なんでそんなに“私なんか”って思ってるん?
俺が賢ちゃんやったらそんなに想ってる子からもらったもの、嬉し〜て受け取るんやけどなぁ。
いつもやめてくださいって怒られるけど頭わしゃわしゃ撫でてみると、目の周りを真っ赤にしたAが伏せていた頭を起こす。ほら、昼休みの時間なくなってまうで? 賢ちゃん食べる時間なくなるやんか。はよいき。
(立派なにわとりになってください/akiyama side おわり)
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作者名:みずたき x他1人 | 作成日時:2018年11月10日 21時