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はじまらなかった / ryo ページ22

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きょとん顔で見つめるこいつは本当に熱があると思ってるのか。そうなれば俺、結構演技派じゃない?ノーベル賞とれちゃったりして。それでもこいつのちょろさが心配になる。俺は風邪ひいたら甘えるんだよ。それでいいから早くなんか言って。
 
 
A「…ん、わかった。」
涼介「…そばにいて」
A「ふふ、うん」
涼介「笑うな」
A「今日ずっといたげる。」
涼介「今日ずっとはいい」
A「しばくぞ」
 
 
 
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今もだって、男友達枠で止まってる俺なんかに「そばにいて」なんてくっそ甘い言葉言われても、なんとも思わないんでしょ? 何歳も上のおじさん先生が好きな君に、俺の方がお手頃だって知らせてあげる。
 
 
こいつの細い手首を引っ張って、ベッドに引きずり込むと、ギシギシきしむ音が鳴るのが変な気分にさせられて、むかつき反面 ずっと好きだったこいつが簡単に腕の中に入って、優越感。
 
 
「ちょっと、やま?」 怒ったような声が可愛いってもはや病気かもしれない。今は眠たいフリでなんとかして。
 
 
 
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涼介「いーじゃん。1時間くらいサボっても」
A「…暑いんだけど」
涼介「知ーらね」
A「いい加減にして…」
涼介「〜〜っやば、マジ眠いおやすみ、」
A「ちょっと?!」
 
 
 
熱を理由に嘘ついて、ドアの窓越しに目が合った、こいつが大好きでたまらないと噂のおじさん先生がいたことなんて教えない。教えてやるもんか。今は俺の腕の中に包まれて眠るこいつの寝顔が、夢じゃありませんようにと願うだけ。
 
 
それだけで俺は幸せなんだから、ちっぽけでむなしいサイズをかみしめさせて。

私を食べてなんて言えないから→←触れるための口実



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作者名:みずたき x他1人 | 作成日時:2018年11月10日 21時

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