【こんな驚きは】黒い衣を纏った鶴は【始めてです】 (ページ4)

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２話ページ4

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｢ははっ…笑えないなぁ…｣

禍々しいオーラから逃げて来る途中、木の枝に頬を切られて。木の根で転んで。

なんだろう？…今日は運が無い日だなぁ…。

今朝は雨に降られて、傘を買って。
駅のホームで突き飛ばされて、電車と衝突。
生きていたと思ったら、服装変わってるし、荷物は無いし。

何より…こんな化け物を相手にするなんて…絶対に無理だ！！

こんな驚きは、求めて無いね！！

しかし…、相手をしないと、もう後が無いんだよね。後ろは登れそうにない、切り立った岩壁。
私の身長を軽く越している。

前(前方五メートル)には赤黒い色のよくわからん化け物が、計、六体ほど。

つまり、万事休す…。

いや、ここで終わるなんて…格好良く無いよね。格好良い政宗公だって、こんなになっても…。
きっと、命ある限り戦うでしょ？

恐る恐る、手に持っていた日本刀を鞘から出し、相手に向ける。

刃がだいぶボロボロなのは、知らない。

逃げられるスペースを自分で作らない限り、コイツらからは逃げられない。

そう決心すると、体が軽く感じた。

｢っ…ははっ、予想外だったか？ガラ空きだぜ！｣

黒い服を、ふわりと浮かせて飛び、一撃を加えた。

まるで前から、戦い方を知ってたかのように。

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薬研side

｢んー…、鶴さん居ないねぇ…｣

隣を歩いている燭台切の旦那が言う。

俺っち達第一部隊は、大将の頼みで阿津賀志山を回っていた。

三日月の旦那や小狐の旦那は、もう家の本丸にいるのに、鶴丸の旦那だけが来ていない。

ある時大将が言っていたな、鶴丸難民だって。

それもそうかも知れない。大将は三年目になるのに、いっこうに鶴丸の旦那に会えないからな。

｢そうですな。主殿も鍛刀をしてみる、と仰っていたものの…そろそろボスマスに到着しますぞ｣

後ろを歩いていた、一兄も同意した。

因みに、第一部隊隊長は、燭台切の旦那。一兄。倶利伽羅の旦那。青江の旦那。貞(太鼓鐘)。そして、俺っちの六人だ。
最近来た、貞以外はカンストって奴をしている。

すると、小さいが…聞き覚えのあるような声が聞こえた。

｢おい、薬研！行くぞ！！｣

貞も聞こえたようで、俺っちに声を掛けてきた。突然の事で、一兄も旦那方も困惑している。

｢おう！旦那方、一兄、行くぞ！｣

貞に返事ついでに、困惑していた一兄と旦那方に声を掛け、先に走っている貞の後を追いかける。

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