【こんな驚きは】黒い衣を纏った鶴は【始めてです】 (ページ1)

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プロローグページ1

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大学に行くため電車に乗る。

驚きのない、毎日。

平和と言ったら良いのだろうか、楽しくは無いが。

今朝は雨が降っていて。
改札を通ったら、持っている…コンビニで買った半透明の傘、白い傘を綺麗にたたむ。

少しの茶目っ気で。刀みたいに、左手でそれっぽく持った。

いつも乗っている電車を待つホームで、横に立っている人達からの、痛い視線が来る。

それに居心地が悪くなり、着ていた黒いパーカーのフードを深目に被りなおした。

私は、白い髪に白い肌。赤色の目をしている…そう、俗に言うアルビノと言うものだ。

この容姿の性で物珍しそうに見られたり、気味悪がられたり。色々な事があったなぁ…。

唯一の救いは、四人の腐れ縁の友人達と、その内の、友人の兄弟達が居てくれた事だ。

友人達のお蔭で、比較的楽しい人生を送っている。やはり、これ以上の高望みは駄目なのかな？

だが、それを差し引いたとしても。
注目されるのは嫌だったから、黒いパーカーや、フード付きの黒いコートを着ているのだ。今日もそうだった。

この時までは…。

突然、背中に背負っていたリュック越しに、衝撃が走った。これは突き飛ばされた感じだ。

そう考えた直後、電車に全身が打ち付けられていた。

線路に近い場所に立っていたからか。

誰かの恨みを買っていたのだろうか。

それとも、こうなることは運命だったのだろうか。

こんな驚きではなく、もっと楽しいものだったら良かったのに。

来世では、驚きと、楽しい人生を…。

心からの願いを思うけど、もう感覚がない。
暗い意識の中、刀のように持った白い傘は、強く握りしめていた、気がした。

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ある大学の食堂で、ニュースが映っていた。

｢今日未明、駅のホームから落ちた女性は、電車と衝突後、即死。死亡が確認されました。

なお、女性は突き飛ばされたのでは、と警察は………｣

キャスターの声は、人々に届いたのだろうか。

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『ハハッ…驚きのある、楽しい日常を望むなんて…君は面白いな』

『俺の俺は堕ちてしまったけど、君になら。俺の俺である、この身体を授けても良いな』

『驚きのある、楽しい人生…いや、刃生を送ってくれよ？』

『いつか、君と笑顔で会話が出来ると願っているからな！』

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