百八十二振り ページ32
織田信長は、懐から一振の短刀を取り出した
信「私の懐にある薬研藤四郎
これは私の守刀よ
この短刀には、薬研は切れるが主人の腹は斬らぬという逸話がある
こいつを持っていれば、私は自害などする事は無かろうて」
蘭「私がお譲りして頂いた不動行光は、如何様な刀ですか？」
ずっと控えていた森蘭丸が、興味深深と言ったように口を開いた
信「不動行光……
私の自慢の刀じゃ
お前が、お前だからその刀を託したのだ」
蘭「上様……
この刀、大事に致します」
織「では、黒田様にお渡しになられた刀にはどんな役割があるのですか」
織田左文字は、自分たちがこの者にどう思われているのか気になった
信「知っているのか」
織「ええ、そちらに伺った時に耳にしました」
信「へし切長谷部か
あれは良い刀であった
出来れば手放したくは無かったのだが」
織「では、なぜ」
語尾が強くなってしまったのは、気の所為ではないだろう
信「あの刀は縁の刀よ
黒田孝高に渡すのには惜しい刀じゃ
黒田孝高は頭が回る
いつ裏切るかもしれん
へし切を譲り渡したのは、恩義を通すためよ
黒田孝高が私に謀反を起こそうなどと思わぬ様にな」
織田信長は、大層惜しいことをした、と言うように言った
信「私の刀は、私の宝じゃ
まだ号の無い刀は多いが、一つ一つが私を守ってくれておる
私の一部じゃ
そんな刀が傷つく戦はもうしとうない
戦は人々の何かを奪っていく
そんなものを続けていてなんの意味がある？
この日の本は誰のものでもない
皆のものよ
皆が平和に過ごせる世の中にしなければならんのよ
だが、戦が無くなろうが、刀が無くなったら寂しいのう」
織田左文字は、無意識に泪をこぼしていた
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藍染蒼湊(プロフ) - 時雨ルリさん» ありがとうございます！涙が出てきたなんて……嬉しいです！完全自己中小説にはなってしまっているんですが、楽しんで貰えると嬉しいです！折角なので、時雨ルリ様のお好きなキャラを登場させたいのですが、いかがでしょうか？ (2021年4月17日 18時) (
レス) id: c460835e66 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ルリ(プロフ) - 気づいたら涙が出てた。。。素敵な作品に出会えて嬉しいです！更新頑張ってください。応援してますっ！ (2021年4月15日 0時) (レス) id: 22d6599733 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍染蒼湊 | 作成日時：2020年12月6日 14時
