妖怪㐂伝、虹の岡［all］〜肆〜

中間淳太 ページ33

紫side






紫「………ふぅ」




桃「ど、どう…？」




紫「………予想通り。こりゃ大変や。」







なるべくおどけたくて笑ったけど、笑えていたんやろか

視界に移る全員が各々渋い反応を見せる。


ここまで引っ張って黙っていたのも悪い。

確証も持てたし、きちんと話さな










紫「…落ち着いて、今から話すこと、聞いて欲しい」








その昔、


つまり淳太の家で見つけたあの家系図から消えた家族の時代








紫「旦那さんの名前が消えていたのは、




旦那さんが、妖怪やったから」








青「……！」




緑「そっか、、妖怪じゃ、戸籍も身元も分からへん…」




桃「妖怪と結婚って、そんなこと出来るん！？」




紫「交われば何者も関係なく関係(・・)は出来る」




桃「倫理観皆無やなぁ…」








また淳太の家で発見した奥にしまわれた書物。

見つけられたのは結局神山さまの強運か





異類婚姻譚とは、


人間と違った種類のものと人間とが結婚するお話の総称


人間はそれを御伽噺と読んでよく好んでいた。


でも、もしそれがほんまなら




他界のものと関係を持つなどそもそも禁忌なもん

契りを交わしたら何かが代償となる








紫「淳太のご先祖さまは、それでもこの妖と共におることを選んだんや」



赤「妖の、、子ども…」



橙「妖怪の子供ってどうなん？」



紫「死ぬ」



橙「へ！？」



紫「そもそも妖怪の血が人間の体に合うわけないねん。紙の器に熱湯注ぎ込んでるようなもんや」






妖と人の夫婦はやがて子に恵まれる。

しかしその赤ん坊は、腹の中でようやく成立した体に毒がまわって耐えられず死去


その光景は母親にとって想像を絶するほど辛いだろう







紫「産んでも産んでも産んでも、直結の子が生きることは出来ん……なのに二人も、、一人目が信じられんかったんやろな」



緑「ここで一回、中間の血は途絶えたってことか」




紫「………ああﾞああかん！……吸ってもええか？」



橙「久々やな。」



紫「頭使ってむしゃくしゃしてんねん。やってられへんねん！」








奥の部屋から煙管を取り出して火をつける。

禁煙しとったんやけどなぁ…



紫の煙が酷く濃く空に残っていた






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