妖怪㐂伝、虹の岡［all］ (ページ7)

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鬼の居る床の間ページ7

赤side

赤「……。」

橙「なんやねんそのジト目はぁ」

鋭い牙を向かせて睨み返される

人間らが見たら世界一怖い代表的な妖怪なんやろなぁ

俺には図体でかい犬が怒っとるようにしか見えへんわ

赤「きつく当たりすぎたんちゃいまっかー」

橙「関西色強めやめぇ。
相手は人間の子供や、お前もベタベタすんな」

照史は人が大っ嫌いやもんな

俺はそこまでじゃないし

寧ろ反応がおもろい人間は大好物や

にしても…

赤「あいつおもろかったなぁ！ひゃっひゃ！
走り方から運動音痴が見えとんねん！はぁおもろ」

橙「話聞けっ！」ﾄﾞｽｯ

赤「痛ーっ！金棒っ！この人金棒使いましたよー！
見ましたかみなさーん！武器です！子供に武器！」

橙「あぁもう静かにせい！まだ家着いてへんから！」

赤「ぶーきブーギウギ♪ブギウギ♪ポウ！」

橙「嫌やぁ…この子マジで嫌やわぁ～。はよ帰りたい」

…良かった

やっと優しい顔に戻った

俺らは同じ鬼同士

濱ちゃんと出会ったのも照史のおかげ

まあ、本人には絶対言ったらんけど

「あ、おかえりなさい二人とも」

あ、

赤「神ちゃんただいま！」

緑「おかえり、しげ」

えへへと柔らかく笑うこの子は神ちゃん

緑の着物の腰紐をたすき掛けし、杓文字を持ってお出迎え

橙「なにもんち、やけにご機嫌やん」

緑「今日はご飯がめちゃくちゃ上手に炊けてですね、
さっき味見したらツヤッツヤのもっちもちやった。」

橙「おっまえは可愛ええなぁ！えぇ嫁になれるでぇ」

緑「おれ男やで」

美味しそうな味噌汁とお米の匂い

ぐぅとお腹が鳴ってしまう

その様子を見て神ちゃんはまた笑い

緑「濱ちゃんが帰ってきたらご飯にしよ」

橙「崇裕はどこ行ったん？」

緑「あの子がちゃんと帰ったか心配やから見て来るだってさ」

赤「えぇ～腹減ったぁ…」

橙「あいつはほんま心配性やなぁ」

緑「すぐ頂きますできるように準備しとこ。

ほら、しげ箸出し手伝え！」

赤「はぁ～い…」

おとんみたいな濵ちゃんに

おかんみたいな神ちゃんに

兄ちゃんみたいな照史

あったかくて優しくて

生きてきたなかで一番幸せ

ま、俺もう死んどるけど

へっ！

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