妖怪㐂伝、虹の岡［all］ (ページ2)

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夏の思い出ページ2

黄side

気味の悪いところだ。

森林の揺れる音が人の声に聞こえる

まるで俺に話しかけとるみたいに
深く進むにつれてその声は大きくなり、四方八方から聞こえる

ひとだひさしいなぁ

ひとのこだにおいがするぞ

おいでこっち

こっちにおいでおいでおいで

痛い…耳が、頭が痛い…

誰かが隣から声をかけてる

ミンミンミンミンジリジリジリジリ

いや、これ

ミンミンミンミンジリジリジリジリ

、、頭の中から

ミンミンミンミンジリジリジリジリ

おいでこっちおいでおいでひとのこ

ミンミンミンミンジリジリジリジリ

たのしいよこっちだにんげんそっちにいくな

ミンミンミンミンジリジリジリジリ

ひとのこほらこっちこっちきてみなさい

ミンミンミンミンジリジリジリジリ

のぞいてみろこっちだほれほれほれほれ

こないのなら、こっちがいくぞ

黄「…。った、すけて」

ミーンミンミンミン

ミーンミンミンミン

__い………おーい、……にいちゃん？

黄「……っ………はっ…！はっ、はっ、、はぁっ…」

「おぉよかったよかった。おはよう」

どこや、何が起きた…

俺、あれから、なんか耳元ではっきり聞こえて

なんか飛び出してきて、それから目の前真っ暗なって

普段かかない汗が背中に湧き出て布団を濡らしてしまいそう

「兄ちゃんあんま外出せぇへんやろ。軽くバテて倒れとったで

ほい、水」

黄「あ、ありがとうございます…」

布団から勢いよく起き上がった俺を支えて近くの
水を渡してくれた

着流しに桔梗色の帯を締めたなで肩の男性

年上？同い年？くらい。若い事は確かだ

紫「もうそろそろ日が暮れる。はよ帰り」

黄「えっほんまですか!?お寺行く予定やったんですけど…」

紫「どうしても今日なん？やめとき」

黄「…そうっすか、」

こりゃおかんに叱られるわ

熱中症で倒れたって伝えたら許されるやろうけど

けけけけっ

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