とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ8)

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8話ページ8

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昨夜の事が気になったが、今朝は私含めて皆様忙しい

坊っちゃまに詳しく聞き出すことは出来ず、
もやもやを抱えたままで、気づけばもう夕方

小「こほん、今日は1日心ここに在らずだな」

『…お気づきでしたか』

お皿を洗いながらぽつりと呟かれ、肩をすくめた

楠木はやはり気づいていなかったみたいで目を丸くさせて私の心配をする。その様子に思わず笑ってしまって作業を止め、事柄を話した

『…ということで。相手が誰かも知らぬまま、
意図も全く予想出来なくて』

楠「普通に考えて…Aさんのことが
好きなんじゃないですか？」

『そうだったとしても、私は顔も知らないのよ？
そんな変人がSITの期待なわけがない』

楠「本当に誰か会ったことないんですか？」

『………ない。全くない』

うーん、二人で腕を組み首をかしげる
それでも答えは出てこない

ジリリリ

客間から電話のベル。楠木が取りに走っていった

私が覚えていないだけか、

それともすれ違っただけで一目惚れした変人か

もしくは…

楠「Aさん！噂をすればです！」

受け取った受話器に耳を当てるとそれは坊ちゃんからだった

『はい変わりました。四十田です』

秀「あ、A？ごめん、仕事の邪魔して」

『いえ、どうなさいましたか。』

秀「ちょ、待って、突然すぎるかもなん…わかったって！待て
よ！」

『秀作様？』

何やら向こう側で悶着あるのだろうか

声が聞こえなくなったり途切れたり、
と思ったら急に大声を出したり

秀「はぁ…はぁ、ごめんA」

『…落ち着きましたか？』

秀「その、今から電話したい人に変わるから。話してくれない｣

このご時世に固定電話を使ってわざわざ？
遊ぶ約束をする小学生じゃないんだから

秀「じゃ変わ「もしもし。」おい！｣

「突然の電話、お許しください。尾関です」

おぜき、尾関……

手繰り寄せた記憶の中でうっすらと顔が浮かんできた

『あぁご無沙汰しております。私にご要件があると
お聞きしたのですが』

尾「はい。今すぐに伝えたい一心だったので。早速単刀直入に

四十田Aさん。僕とお付き合いしてもらえま」

カシャン、ツーツーツー

楠「…何でした？どうしたんですか？」

『………やばいっす』

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