50話 ページ50
.
手毛綱様によると、長男である博文様があのパーティーで交友を深めたお相手が、以前私も一緒に飲んだあの池江様。
つまり坊ちゃんの想い人であったと
お互いこのことは認知しており、女性の扱いに手馴れてらっしゃるお兄様の方がグイグイ距離を詰めリード。しかも池江様はどちらかと言えば博文様の方が前からタイプだと公言している
関わった日数は明らかに坊ちゃんの方が長いのに、恋に順番は関係ないとはこの事か
『………がんばっ。』
秀「ん？」
『いえ何も。』
夕食後、デザートをお嬢様と坊ちゃんに出し、ご主人様にいつものようにキセルに火をつける。すると博文様がお帰りになられた
『お帰りなさいませ。』
博「俺もデザートだけ貰おうかな」
楠「かしこまりました！」
博「出されたんだけど、食べないであげちゃったからさ」
小「何方と食事だったんですか？」
博「誰って、相手の名前……言っちゃってもいいのかなぁ？」
秀「……。」ﾋﾟｸｯ
『はぁッ…！』
思わず口に手を押え息を飲んだ
態とらしく秀作様の方を見つめ意味深に微笑む
つまりこれは池江様とデートに行ってきたという宣戦布告…！
対する秀作様は分かりやすく狼狽え、思いっきり相手の攻撃に当たっている始末！
泰「秀作も知っている人なのか？」
博「秀作がこの前のパーティーで招待してた人だよ。だからこいつに紹介してもらったようなもんだよ」
秀「……！？！？」
泰「その方とはどういう関係なんだ」
博「行く行くは、結婚しようと思ってます」
泰「お前もとうとう身を固める決心がついたか」
博「父さんに早く孫の顔を見せたいなぁと思って」
興味深そうにお相手の事を聞きたがるご主人様に秀作様は慌てて立ち上がった。
秀「と、父さん！僕の仕事の同僚なんです。
つまり、女性警察官です」
泰「ふーんそうか。別にいいんじゃないのか？」
秀「ちょ、ちょっと待って父さん！」
泰「は？」
秀「反対しないんですか？！」
泰「相手がどんな女性かも分からないのに反対なんか出来るわけないじゃないか」
秀「あぁいやでも！以前女性警察官で気になる人がいるって話したら猛反対されましたが…？」
泰「そんなこと言ったか？」
博「さぁ？」
秀「えぇ､､､」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ネコ王 | 作成日時：2022年2月12日 11時
