41話 ページ41
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『……おぜき、さま…』
尾「聞こえなかったか。手を離せと言っているんだ」
なんで、
いるはずのない彼が、私達を強い力で引き剥がして私を背に隠した
「お前、っ誰だよ！」
尾「彼女の恋人です」
「嘘つくなよ！Aはいねぇって」
尾「今は違くとも後になる予定です」
「おい、こいつとどういう関係だよ」
『か、関係と言われると…、共通の知人がいるだけ』
尾「喋らなくていいです。僕に任せて」
まかせるって、と言葉を繋ごうとしても、真っ直ぐな目に頷くしか出来なかった
尾「お前がしたことはいわば強 姦未遂。俺はお前を確保することだって出来る。
なんにせよ、彼女を泣かせた罪は重い」
『……っ！』
尾「そして、俺は警察官だ」ｸﾞﾘｯ
「い"っ…！あいたたたっ！」
掴んでいた腕を後ろに回し、ひねりあげる
そして聞いたことがない低くて冷たい声で呟いた
尾「今すぐ強制性 交等罪でお前を確保することだって出来る。自分のキャリアに傷がつきたくなきゃ」
「…ぐはっ…。」
尾「さっさと目の前から消えろ…そして二度と彼女の前に現れるな」
背中を向けられていたから顔は見れない
でもきっと、相当恐ろしい表情だったのだろう
彼の気迫に押され、へっぴり腰で逃げていった
『……あ、あの………わっ、』
尾「はぁ…無事でよかった…」
強く、抱きしめられた
骨がミシミシ言うほどの強さで苦しかったけど緩めてとは言えなかった
『どうして、ここに？』
尾「この辺りのホテル街の入口はここしかありません。時間帯を計算して、張り込んでいたら会えるだろうと」
『ずっとここに？！』
尾「貴女が他の男に抱かれるのを黙って見てられません」
『……相変わらずですね』
こりゃ参った…
私は彼の想いの強さを相当見誤ってたらしい
『…ありがとうございます。』
尾「惚れ直しましたか？」
『直すとはなんですか。元々惚れてません』
尾「それは嘘だ。僕の読みが外れるわけない」
『随分な自信家で…』
尾「はい、自信があります。なのでこれも」
肩に手を置かれ、何かと上を向くと
そのまま唇を合わせられた
尾「……タクシー呼びますね。」
『……はい。』
心臓はまだバクバクいってる
もしかしたら…好き、かもしれない
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作者名：ネコ王 | 作成日時：2022年2月12日 11時
