とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ36)

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36話ページ36

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見違えたとは失礼かもしれないけど、
それくらいにAは日をまたぐ度に容貌が変化していく

楠「すごいんですよAさん。一緒に買い物に行くと、すれ違う男性諸君が振り返るんです！連絡先交換をせがむ人まで」

華やかになった見た目に、喜べないのは何故だろう

それに彼女と一緒にいたあの男の謎も解けていない

もしかしてもう付き合ってたら…、！

『秀作様』

秀「うわぁ！！」

『…あら、お取り込み中でしたか？』

そう言って口に手を当ててくすくす笑う

本当によく笑うようになったね…

『お嬢様に様子を見にいってやってくれと頼まれたので、お声をかけさせていただきました。何か悩み事ですか？』

秀「……ありがとう。」

『相談ならのります。そのための四十田です』

相談…あ、

秀「……これ、例え話として聞いてほしいんだけど」

回らない頭でひねり出して、僕は賭けに出た

秀「例えば、意中の相手がいるんだけど、相手に自分が酷いことをしてしまってふられてしまったとする」

『…なるほど』

秀「何とか気持ちを取り戻したいけど、さらに相手はもう先に進んでしまっている」

『新しい恋人ができたということですか？』

秀「いや、…でもそうだね。このまま何もしなかったらその人はそいつと付き合う」

『それは悲しい…何をなさったのですか？』

秀「うーん浮気かなぁ。でも交際してはなかったんだ。けど、お互い気持ちはあった」

『なかなか複雑ですね。珍しい例え…』

君のことなんだよ

逆にここまで迫って気づかない君が珍しい

秀「どうするべきかな？」

『そうですね……

諦めます』

秀「そういうことじゃないんだよ！」

『だって考えてもみてください！自分はそこまでして強く想っているのに、相手はすぐに他へ移っているのですよ？きっとその程度だったんですよ』

秀「いやいや気持ちは同じなの。同レベル」

『なぜですか？』

秀「そういう体の例え話なの！」

眉をひそめてなるほどと熟考する素振りを見せる

諦めますって、、君がそんな答え出しちゃ困るんだよ…

『かしこまりました。それでは、相手を振り向かすしか方法はありませんね』

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