とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ33)

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33話ページ33

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昨晩は最悪な夜だった

あの後Aに体調が悪いと早々帰宅してしまいメールをしても返信は返って来ず

否定しつつも彼女が尾関に好意を寄せつつあったのはわかる

想い人がキスされた現場を目撃したなんて、きっと一日経っても復活できない…

『おはようございます秀作様！』

秀「…えっ、？」

『今日はベーコンが上手く焼けたのです。おかわりもあるので是非！』

秀「あ、あぁ…ありがとう…」

どうしたんだよA!?

今まで朝食が上手く出来上がっても淑やかにと心を抑えて頬を動かさないAが…

今じゃ鼻歌で皿洗いしている！

次の日も…

楠「…ん？くんくん……Aさん、柔軟剤ですか？」

『えっ？あぁ、香水かな？甘い系にしたの。控えめにしたつもりなんだけど…』

その次の日も…

博「お、A。メガネ外したのか」

『はい！少しコンタクトに憧れがありまして』

博「そっちの方がいいな。似合ってる」

『ありがたきお言葉です』

様子がおかしい！狼狽えることも落ち込むこともなく、むしろ上機嫌だ。今だって歌を歌いながら花に水をあげている

歌声なんて聞いたことなかったよ僕は！！

無理してるんじゃないかな…

博「おいおいおい、野暮なこと聞くなよ秀作」

秀「えっ？なんで？」

博「あの顔をよく見ろ。あれはどう見ても恋をしていますって顔だろ？」

秀「恋？尾関に？」

博「尾関はもうねぇよ。あいつは他の男に、しかも俺の予想だとあれは上手くいってるな。女っぷりが上がってる」

秀「確かに…最近よく身なりに気を使ってるけど、」

博「危うく俺まで口説きそうになったぜ」

その情報はどうでもいいよ兄さん！

Aは家の一番下で妹の様に可愛がってきた

池江さんに手を出してきそうなのにそんな妹と兄だなんて考えたくもないよ！

『ふ〜んふ〜ふふん♪』

秀「A、」

『はい？なんでしょう』

秀「無理、してない？」

『…えっ、してませんよ？最近はむしろ気分がいいんです！』

秀「本当に？」

『はい！最近自分磨きに精進するようになっていき、気分が良いんです』

秀「……そっか」

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