とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ32)

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32話ページ32

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尾「Aさん！！」

『仕事中ですよ。騒ぐのはおやめ下さい』

尾「聞いてください。あれは」

パーティーもほどほどに終えて片付けを始めていく
Aの背中を追いかける尾関

何度も手を掴もうと伸ばすがそれをさらに早歩きでかわしていく

『話を聞いている暇はありません。忙しいんです』

尾「じゃあ終わった後に話させてください」

『何も話す事はありません。では』

尾「待ってください！！」

バタン。目の前で扉が閉められた

尾関は強くノックをしてドアノブを回したい衝動に駆られるが、招待されたよその家。粗相を起こす勇気はなかった

ガチャ

尾「Aさんお願いです。話を聞いてください」

『まだいらっしゃったのですか』

尾「誤解を解くまでは帰れません！」

『誤解…なんのことですか？』

尾「…えっ、」

『いいんです。私と貴方は何の関係もないのですから、心変わりしたとて止める筋合などありません。

もし！今！現在！貴方が私の手を掴むチャンスを伺って追いかける理由が、慰めや同情だとしたら！

……この上なく屈辱です。お帰りください』

尾「…わかりました」

様々な想いが交差するなか屋敷には不穏な空気が流れ始める

秀作は、2人の様子をただ見守っていた

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