とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ26)

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26話ページ26

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楠「Aさぁぁん！」

あらまたデジャブ

今度は泣き腫らすことはなく、所々に葉っぱをつけたままかけて来た

『はいはいなんですか』

楠「プラトンの捜索に協力していただけませんか！」

『秀作様のペットのハムスターのこと？』

楠「はい、以前から脱走してしまったようで…」

あぁ〜だから隈無く外を探してその成なのか

確かにペットがいなくなってしまうのは一大事

手分けしてプラトンを探していくけど、お庭にも部屋にもいないし。小さいからなぁ

楠「…小岩井さん、戻って来るの遅いですね」

『…そうね。』

楠「…私のせいかもしれません。

わたくしが……僕が来てから、変なことばっかりで、なのにドジばかりで、小岩井さんも僕のお世話にうんざりして、辞めちゃったのかも」

手を止めて、楠木がそう言った

涙を落ちそうなほど目に溜めて、握りこぶしをつくる

まったく、、

『ばか！』

楠「うっデコピン…」

『そんなわけないでしょ。小岩井さんがうんざりするなんてことありえないわ』

楠「…なんでですか？」

『だって、私は楠木以上にお世話してもらったもの』

ここで働くことが決まった日

楠木のような養成学校からではなく、私は転職で

基礎知識が全く備わっていない私は小岩井さんからのマンツーマン指導で叩き込まれた

『よく叱られたなぁ。テーブルマナーはまだしも、ご主人様たちの好みとかも覚えなきゃダメだし。博文様なんて月によって変わるんだもん！苦労したよ…』

楠「Aさんがですか…？」

『私も間違えながら怒られながらここで働いてきた。
辞めていく同僚も沢山見てきた。

貴方は、大丈夫よ』

楠「……っはい！」

『いい返事……動かないで！』

ガサガサと物置を探していくと頭にぴょこんと飛び乗った生き物

そっと近くの空き箱に閉じ込めて確認すると、

間違いなく秀作様のペットの、

楠「プラトン〜！」

『ふふっ、ほらね。あなたは大丈夫なのよ』

楠木と一緒に埃まみれになりながら屋敷に戻ると、

「なんだその汚い格好は！」小岩井さんが飛び出して怒った

楠「小岩井さん…！戻ってきてくれたんですね！」

小「話は後だ。さっさとシャワー浴びて着替えなさい」

楠「はい！」

小「まったく、お前まで」

『……おかえりなさい。』

やっぱり、寂しかった。なんて言わないでおこう

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