とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ24)

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24話ページ24

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そうと決まれば、マッハでお昼を済ませて業務に取り掛かる

早めに抜けることとなるから、新人の楠木を一人にさせても
困らないように

『では、後はよろしくお願いします』

楠「はい。行ってらっしゃいませ！」

『お疲れ様です』

ご主人様にも話はつけてある
あとは一旦家に帰って準備するだけだ

なんだろう

落ち着かないのに、楽しい。まさに心が踊ってる

髪を下ろして軽く巻き、メイクもラメを入れてみたりして

再び家から出て、スマホで送られた位置情報を基に店に入った

『こんばんは…』

尾「…っ！……A、さん…？」

池「はじめまして！課長、あっ秀作さんにお世話になっている池江里子です」

『秀作様の家でメイドをしています。四十田Aと申します』

待っていたのは普段のスーツ姿の尾関さんと、女性らしい華やかな装いの女性。挨拶して微笑んだその笑顔は、どこかあたたかい懐かしさを感じた

でも、坊ちゃんはまだ来てないみたい

池「あの、四十田さんってよく課長にお弁当届けてくれる…」

『あぁ、はい。やはり目立ちますよね。お騒がせしていたらすみません』

池「いえいえ。課長も美味しそうに食べてるから、どんなのか気になっちゃって」

『…ふふっ、よく見ているのですね』

優しい、この人もいい人だ。坊ちゃんが好きになりそうな、明るくて、癒される、ほっとけなさそうな人

飲み物もほどほどに流していくが、それでも来ない

渋滞？いやお酒を飲むなら車では来ないはずだ

『もう、顔真っ赤ですよ』

尾「……はっ、」

『お酒ですか？照れですか？』

尾「…後者です」

『メガネ外して少し小綺麗にしただけですよ？少女漫画じゃないんですから』

わかってます…と机に伏せたの彼の弱気が珍しくて池江さんと顔を見合わせて笑った

…まぁ、この前のフレンチみたいに場違い感はないだろう

大袈裟でも、容姿を褒められたことは嬉しいものだ

しばらくして、ビールの泡も半分減ってきた頃

坊ちゃんがようやく店内に駆け込んできた

尾「先輩遅いですよ！」

秀「申し訳ない」

池「何頼みますか？」

秀「悪いんだけど二人きりにしてくれないか」

秀作様には珍しい大胆な行動

私達は顔を見合わせてじゃあと席を立ち上がろうとした

秀「尾関と二人きりにしてほしいんだ！」

はっ？

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