とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ23)

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23話ページ23

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楠「お昼お先に頂きました〜」

『はーい』

気づいたら時計は中頃を指していて

執事部屋に移動し自分のバッグからお弁当を取り出した

スマホを何気なく触っていたら通知が秀作様から

尾関様の件があってから、この短期間で坊ちゃんと関わる事も多くなり、連絡先交換をするまでとなったのだ

あれ、メッセージじゃなくて電話だ

…今なら向こうもお昼休憩か

『……あ、私です。申し訳ありません気づけなくて』

秀「あぁいやいや、大丈夫だよ。誘いの電話だったから」

『なんでしょう』

秀「今度さ、いい鍋料理屋があるらしいんだけど、空いてる？」

『…私と秀作様で、ですか？』

秀「いや、俺と尾関と、もうひとり職場の部下」

またでた

宣言通り距離を置く分、倍で詰め寄られてる気がする

気づいたら隣に…考えたらちょっと寒気が

何度も繰り返すが、彼はいい人

優しくて

一途で

頼りがいがあり

…かっこいい

でも、よく考えて四十田A！

指おる程でしか会ったことないのに

「俺のこと好きなんだろ？俺も好きだよ」

と言われ抱擁されたあのカオスな状況を！

まずい…正直、彼の人柄とハイスペックさに眩んで、常識外れたちょろい女になるところだった

『お断りします』

秀「え!?なんで!?」

『これ以上あの人と親交を深めるつもりはありません』

秀「頼むよぉ」

『本人にも私から伝えます。坊ちゃんのお手を煩わせるわけにはいきません。私事で、ご迷惑をおかけして申し訳ありません』

電話を切るためスマホをタップする

雑に切ってごめんなさい。うわっ、またかかってきた

『…はぁーい』

秀「頼むよぉ」

『再放送やめてください』

秀「今回は尾関とくっつけようとかそんなんじゃないんだよ！」

『…聞きましょう』

どうやら、その職場の部下とやらは坊ちゃんの意中の相手。以前から尾関様に彼女のことを相談しており、間を取り持ってもらっていたと

今回も彼のおかげでこの約束を果たせたと

『つまり、交換条件としての私が行かない限り、ご飯会という契約が成立しないということですか』

秀「ま、まぁそういうこと」

『なるほど。わかりました』

秀「いいの！？」

『寧ろ今ので好感度は下がりました。心置き無くあなたを支えられます』

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