とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ3)

今日:19 hit、昨日:9 hit、合計:28,208 hit

3話ページ3

.

小「遅い」

『…申し訳ありません。少しトラブルがありまして』

小「準備はこちらで済ませてある。急ぐぞ」

『はい！』

やらかした…いや、これもまた人助け
何か良いことに繋がるはずだ

ご主人様を待たせるわけにはいかない。急いで厨房に足を運んだ

楠「Aさん、相変わらず手際がいいですね～！」

『昔の名残。楠木のスイーツみたいな繊細な仕上げは出来ない。はい、お願いします』

楠「ありがとうございます！」

楠木は私の後輩。今まで何人の後輩が辞めていったか
もう数えるのは諦めた

彼はイギリスの養成学校を卒業した王道を渡ってきた男

何事も一生懸命で、ミスは目立つが、新人の頃は皆そんなもの
折れずに続けてほしい

『メイン、サーモンのソテーです』

知「ん、美味しい」

『ありがとうございます』

知晶様の大好きなサーモン。お口に合って何よりだ

小「デザートも控えておりますので、用がありましたらなんなりとお申し付けください」

奥に控えて、片付けと待機に分かれる

ひとつ終わればまたひとつ。終わりはほぼない

でも、

ガラスに写った皆様の顔を見ると、やっぱり料理も何でも、
頑張りたくなる

『秀作様、ケーキ気に入ってるね』

楠「やったぁ…！」

もうすぐ主人様の誕生日。いつもの倍、腕によりかけなきゃ

.