とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ19)

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19話ページ19

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突然、知晶様が犬を持ってきた

前々から欲しいって聞いたことなかったんだけど

楠木を連れて犬を見てくると出かけて

帰ってきたら、黒毛の目立つ大型犬が現れた

楠「56時間以内に、ジョンと呼んだら来るようにすること、ボールを投げたら拾ってくることをマスターさせろとの命令を預かりました！」

『まーた変なトラブルかなぁ』

楠「ジョン！とってこい！」

小岩井さんには話をつけてあるからと

普段の業務を投げ出してでも解決しなきゃいけない大切なことだと

本当に色々あるご家族だ

『手伝おうか？私実家犬飼ってたし』

楠「いえ！これは私が頼まれたもの。

まさに、挽回のチャンス！なんです」

『ふふっわかった。じゃあアドバイス。おやつを忍ばせて名前呼ぶと、近寄る目的がおやつからだんだん名前に錯覚するの』

楠「おやつですね…ありがとうございます！」

『頑張って』

ペットの躾は信頼関係が重要。およそ二日間で果たしてどこまで出来るのか。チャレンジしたことなかったな。当たり前か

楠木は諦めずに何度もジョンと呼び続け、ボールを投げ続けた

何故か途中から秀作様の方が真剣になっていた。

『お疲れ様です。成功ですね』

秀「あぁお水ありがとう」

楠「すみませんわざわざ」

すっかり懐いたジョンは秀作様の顔を舐めてじゃれあっている

楠「ジョンは浜野谷院長のお宅に連れていくのですか」

秀「え？…姉さん達から聞いたの」

楠「いえ、何も聞いておりません」

秀「じゃあなんで知ってるんだよ！？」

楠「クリーニング屋の手毛綱さんが話してたんです。浜野谷院長のお宅の、ジョンって名前の黒毛の犬がいなくなったって」

秀「それ、絶ッ対内緒だからね！」

楠「わかっております。執事は守秘義務命であります！」

聞こえてるって。楠木もまだまだね

浜野谷院長とは博文様の勤務する病院の院長

副院長争いをしている博文様にとって、気に入られる、
ごまをするべき相手なのだ

おおよそその愛犬ジョンがいなくなって、替え玉受験ならぬ替え玉犬を思いついたんだろう

奇想天外な発想だ

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