とあるメイドの恋事情【尾関光希】 (ページ15)

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15話ページ15

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頭が一瞬ショートした

どうやら、私がどこかのタイミングで、尾関様に"告白"のようなワードを呟いたと

えぇ全く覚えてないどうしよう

尾「その時の笑顔含め、情景全て鮮明に覚えています。寧ろ頭から離れません。

教えてくれたうどんを食べる度に貴女の顔が浮かびます」

『やめてください消してください』

尾「ぶっちゃけ週一で作ってます。年越しも作りました」

証拠だとスマホに送られたのは、何枚かのうどんの写真

右にスクロールするごとにクオリティが上がっているのが伝わってくる

続ければ人は何事も成長することが分かりました

『でも…それは勘違いです』

尾「…勘違い？」

『誤解を招くような発言は申し訳ないですが、
尾関様の胸が高鳴ったことも、勘違いです』

尾「どういうことですか！？」

『弱っている状態で急に告白されて、エラー中の頭で、
意識せざるを得なくなっただけですよ。

きっとこのまま私を知れば、愛情も冷めていくに決まってます』

尾「…そんな、、そんなこと」

『焦りすぎです。貴方ならもっといい人がいます』

少々強く言い過ぎたかもしれない。でも間違ってない

好きという言葉に惑わされて振り回された。優しい人だったんだ

『短い間でしたが、ありがとうございました。
これからも坊ちゃんをよろしくお願いします』

尾「Aさんは、」

『四十田とお呼びください。私達は秀作様の共通の知人。
それ以上でもそれ以下でもありません』

カフェオレ分の料金をテーブルに置いてきつく言い放つと、
伸ばしかけた手がゆっくり膝の上に戻った

子犬のような目に正直くらっときたけど、
さようならと腰を折り、その場を去った___

あれから、ありがとうございましたとだけ送られた

メッセージを最後に、彼との関わりは一切無くなった

秀作様は一度真剣な面持ちでどこかへ出かけたと思ったら、
悲しみと切なさに塗れて帰ってきた

ある日、楠木と車を洗っている最中

楠「あれ？これは…」

座席のところに置いてある作業服を発見した
そこには名札で、北沢秀作と顔写真付きで

勿論坊ちゃんが働き手を変えたのではない
きっと何か色々あったんだ

『…こっそり、伝えよう。

もみ消したいことは、私達が一番守らないと』

楠「…はい」

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